ほっとけやん

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~地域とともに生きる~
わかやま新報2016年4月7日掲載

障害のある仲間と共に
「性」を学ぶ意味


麦の郷生活支援部 島 久美子

 障害の「あるなし」に関係なく、「友達がほしい気持ち」や「他者への好意」また「性への興味関心」は、人が人として生きていく上で自然なことです。一人ひとりが、人生を豊かに充実させる上で、不可欠な権利でもあるでしょう。
 とはいうものの現代社会では、性の情報があふれ、障害のある人たちが性に関わるトラブルに巻きこまれる危険も大いにあります。「権利を守ること」と「障害のある人をトラブルから守ること」は、二者択一で解決できるほど単純なものではありません。
 麦の郷生活支援部では3年前から、障害者のセクシュアリティ支援を進めるハートブレイク黒瀬清隆氏を講師&アドバイザーとして、職員が学習を重ねてきました。日々関わっているメンバーから、性に関する要望や思いが出された時や困った行動があった時に、どう対応すればいいのか。職員自身が、性への考え方や「管理・禁止」ではない行動の在り方を学び合うところからのスタートでした。
 3年目になり、新たな取り組みが始まりました。障害のある人たちが「出会い」を求め「恋愛や結婚」に憧れることは、みんなの共通テーマ。一般的な「婚活」に参加しても難しい状況があるようです。出会いを求める気持ちに寄り添い、障害のある人たちが安心して参加できる交流の場をつくるという趣旨で、昨年12月20日(日)午後、クリスマス交流会を企画開催。当日は、障害者メンバーが10事業所より25名職員&支援者12名の参加がありました。交流ゲームやフリートークで盛り上がりみんなで楽しむことができました。次は「七夕パーティーを!」という参加者からの声があります。
 またことし2月28日(日)午後には、ハートブレイク黒瀬清隆氏を講師に迎え、学習会「障害のある仲間と共に学ぶ性」を持ちました。7事業所から14名の障害者メンバーと職員9名の参加があり、みんなが楽しい時間を過ごすことができました。感想アンケートには、「よかったです。自分なりに、疑問が解消された気分…」「こんなこと初めて聞きました」「たのしかった」「けっこんて、すごくしんちょうに考えないとだめなんだなと思いました」など、仲間と学びを共有したことで、気付きがあることが感じられました。
 この3年間を通して、性に関わることは、その人が自分らしく生きるために欠かせない「仕事」「生活のあり方」「人との関わり」などを含めた生活支援そのものであることを実感しています。これからも障害のある仲間たちの「しあわせな明日」を共につくるために取り組みを進めます。

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