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~地域とともに生きる~
わかやま新報2016年7月7日掲載

麦の郷40周年記念企画
職員視察研修IN鹿児島

社会福祉法人 一麦会事務管理部

中野 優子

 麦の郷は、1977年3月「たつのこ共同作業所」発足(無認可)から今年度の3月で40周年を迎えます。それに伴い40周年記念実行委員会を立ち上げ、各部会で記念行事を企画検討しています。その企画の一つとして6月3、4、5日『権利と平和』をテーマに社会問題に焦点を当て学べる研修計画を企画し、14名の参加で鹿児島への視察研修に行ってきました。
 社会福祉法人麦の芽福祉会様には、お忙しい中、一日中多数の施設関係をご案内いただき、障がいのある方々の居場所作りとして地域と密着した運営に当たっておられる状況はとても目を引くものでした。コープかごしまさんと「共同事業連帯宣言」を結び、障がい者参加型の店舗運営を展開しており、見学をさせていただいた各店舗の中で生き生きと販売されている障がい者の方たちを拝見して、地域に溶け込んでいる様子がほほ笑ましく思えました。しかし、ここまで理解していただくのは並大抵ではなかったようです。意見の一つに「障がい者の人が触ったものはいらない!」という声を乗り越え、今では「『障がい者の人も普通の人やね』『頑張ってね』と言ってくれるようになったんですよ」と案内してくれた職員の笑顔に心救われた思いでした。
 誰一人として、望んで障がいを持って生まれてくる人はいないのです。同じ人間として、人として、働き、当たり前に過ごしたいだけなんです。ぜひ多くの方々に理解していただきたいなと感じました。目まぐるしく変化する情勢の中で、法人全体規模で運営について取り組み、「生き生きと運営されている法人だなあ」と教わるばかりで、時間が足りなかったのが残念でした。
 国立療養所星塚敬愛園様では、ハンセン病で隔離され、戸籍ごと生きていない人として非人道的な扱いを受けてこられた歴史を丁寧にお話しいただき、見学をさせていただきました。
 鹿屋航空基地史料館、知覧特攻平和会館見学では、お写真と遺書が何百と展示され、自らが弾丸となり若くして特攻隊員として亡くなった方の無念と、ここでも人間としての尊厳を全く無視した策に腹立たしく胸が痛み、涙なしでは居られませんでした。
 ハンセン病患者の隔離、特攻作戦、それぞれを国が命じたという事実にあらためて憤りを覚えました。国の判断や時代の情勢に流されず、正しい目を持って行動することはできないのでしょうか。国のトップの方の親族から特攻に行く絶対原則としたとき、その作戦ははたして実行されたのだろうかと思いつつ、将来ある若者たちが犠牲となった事実の上に平和な日本があることにあらためて感謝しました。
 17歳の方の遺書を読み息子と重ね合わせ涙が込み上げ、『絶対に9条を守り、悲惨な戦争で一人として命を落とさない!』。そんな平和な国のままでいてほしいと強く思いました。


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