ほっとけやん

ほっとけやん120
~地域とともに生きる~
わかやま新報2017年5月4日掲載

40年を振り返って

麦の郷障害者就業・生活支援センターつれもて
正垣 均

 2017年3月7日、麦の郷は創立40年を迎えました。私は無認可の「たつのこ共同作業所」の頃から職員として34年間、仲間(障害のある人たち)と共に働いてきました。
 その前は福祉とは全然関係のない所で働き、その仕事を辞めてぶらぶらしていた時に私の親族が児童福祉施設で働いていて、毎日障害のある子どもたちのお世話をしている話を聞く機会がありました。そんな時に知人から「障害者の作業所が職員を募集しているけど働けへん?」と言われ、何や分からんままに当時園部にあった「たつのこ共同作業所」に行き、働くことになりました。しかし、そこに建っているのは建築現場にあるプレハブの建物で外には古新聞やカン・ビンなどが置かれ、重い障害のある人たちが毎日やってきて作業する姿を見て「これが福祉か」と思いました。けれど、苦労はあまりありませんでした。逆に全く知らなかったから良かったかと思います。当時の仲間の皆さんが温かく迎えてくれたおかげです。知らなければなんでもできるし、知ろうとする好奇心も湧いて楽しかったです。その頃の仕事は下請けの内職の作業をしていました。「洗濯バサミの組み立て・雨具の箱折り・清掃ブラシのクズ取り」などをしていました。他にも革細工でペンケースやキーホルダーを作り、販売していました。
 当時は重度の障害のある人が自宅から通える所が少なく、家から離れた遠くの施設で暮らす人を何人も見てきました。私たちは生まれた地域で暮らし、生活をすることが普通の生活だと思います。今は社会福祉の施策も進み、良くなってきてはいますが、まだまだ支援がいる分野が多くあります。
 最後に、これから障害福祉に関わる方たちへ。私たちは一人の障害のある人の「働きたい」という願いをかなえるために作業所を立ち上げました。そこには多くの方々が自分の持っている力や才能を出して協力してくれました。麦の郷には石碑があります。そこには「ひとりの願いに心を動かし多くの力をひとつにするとき子らの世界光り輝く」と書かれています。障害のある人・そして支援する人も自分で気付かない力があります。それをどう、表現していいのか悩み考えます。しかし、そこに寄り添って悩み共に考える姿勢が大事なのではないでしょうか。答えはすぐには出ないときもあります。焦らず(のんき・根気・元気)頑張ってほしいと思います。



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