ほっとけやん

ほっとけやん128
~地域とともに生きる~
わかやま新報2018年1月4日掲載

「誰もが自分らしく生きるために」

サポートセンター「麦の郷」
相談支援専門員 山本 修平

 無認可の「たつのこ共同作業所」が1977年に開所してから「麦の郷」は2017年で40周年を迎えました。「ろう学校」を卒業し就職をするが色々なことがあり、そこで定着出来ずに在宅になっていた人が「僕も働きたいんだ。仲間が欲しい」という要求のもと「たつのこ共同作業所」が開所しました。その方も2017年に65歳になりました。
 現在の日本の法律では、65歳になると「介護保険」が優先され、「障害福祉」から「介護保険」に移行をしていかなければなりません。その方はずっと「麦の郷」の施設で40年間頑張ってこられた方です。その障害福祉サービスの更新の為に調査に来られた市の職員さんが「65歳になられたので、生活の場所や日中活動の場所を介護施設に変わられてはどうですか」という発言がありました。皆さんはどう思われますか?40年間通い慣れた場所を変わることは障害があるなしに関わらず大変なことです。まして「居住や職業選択の自由」は日本国憲法第22条でも認められた権利です。確かに現在の法律には色々と矛盾点も多いですが、「法律に人を合わせていくのか。人に法律を合わせていくのか」ということにも繋がってくると思います。
 日本の福祉制度に使われるお金が年々削減されているが故に、障害年金が下がり障害をもっている人たちの暮らしが脅かされています。また、現場で働く人のお給料が低く抑えられている為に、福祉の現場での働き手も増えていきません。住まいの場所であるグループホームも定員一杯状態にもかかわらず増えていく見込みはほとんどありません。障害をもっている人が「その人らしく生きていく権利」が奪われつつあるのが、現在の日本の現状です。
 「日本国憲法」第25条では「生存権」が認められているはずです。しかし、実際にはそうではない状況が多く存在しています。日本は美しい自然も多く、こころ優しい人も多く素晴らしい国だと思っています。生きていく、暮らしていくのに値する国だと思っています。
 「住み慣れた場所で今後も暮らしていきたい」というその人の願いを応援していくのが「相談支援」であり、そういう願いをみんなの運動で実現していかなければなりません。

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