ほっとけやん
ほっとけやん19

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~地域とともに生きる~
わかやま新報2008年12月4日掲載

「はたらき続けるために…」
ソーシャル ファーム ピネル 山本 哲士

「シューッ」「ガチャン」「ゴォーー」。
 今日も工場には、当たり前のように機械音が鳴り響いています。ここは、障害をもつメンバーたちが働くクリーニング工場「ソーシャルファームピネル」です。
 麦の郷でクリーニングを始めたのは平成元年から。ことしでもう21年。
 スタッフは随分異動したりして変わりましたが、21年間ともに歴史をたどっているメンバーもいます。クリーニング機械や設備も当初に比べるとずいぶん変わりました。
でも、みんな思いは同じ。「働きたい!」という思い。障害が理由で一般企業では雇ってもらえず、麦の郷にたどり着いた人たちにとって、ここは、自分たちの思いを実現していく工場でした。
 その思いがあったから、夏は室温が最高で45度にもなる暑さをも跳ね返してこれたのだと思います。
 また、精神障害からくる症状に”疲れやすさ”がありますが、彼らを見ているとそんなことを感じさせません。それは、症状がなかったのではなく、症状を克服してきた彼らの姿です。
 少しずつ、障害の調子を見ながら仕事量を増やしていく。これはスタッフとの協働作業です。まだやりたいと思った時にストップをかける。
 反対に、これぐらいでいいかなと思った時に、もう少しやってみる。それを繰り返しながら、フルタイム労働までもっていきます。
 でも、自分たちだけでは、どうしようもないことも…。この夏の原油の高騰は大きな打撃でした。クリーニングではボイラーの原料に原油を使います。原油の高騰で、支出に占める燃料の割合は30%を超え、やればやるほど赤字になる状況。
 今は、ようやく沈静化していますが、小さな工場にとっては、死活問題です。  障害をもちながら「働く」には、安心して働ける環境がとても大切です。利益だけを追求していく環境では、彼らの能力を十分に引き出すことはできません。ピネルは、誰もが、自分の能力を発揮できる労働環境を実現するために、これからも歩み続けます。

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