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ほっとけやん26

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~地域とともに生きる~
わかやま新報2009年7月2日掲載

「権利をまもる」 ~そのただひとつのことのために~
麦の郷紀の川岩出生活支援センター 浦口 郁子

 麦の郷 紀の川・岩出生活支援センターでは、紀の川市からの委託を受け、障害者自立支援法による相談支援事業を行っています。相談支援事業とはなんらかの生きづらさをもちながら地域で生活されている方々の相談事を聞かせていただいたり、生活していく上で困った事が起きたような時に解決に向けて一緒に考え、お手伝いをさせていただく仕事です。
 その中で「権利をまもる」ということの重大さ、大切さ、難しさと日々闘うことが私たちの仕事である、と私は常に感じています。日常の仕事はすべてこれだけのために行っている、といっても過言ではないかもしれません。
 けれど、そのたったひとつのことが非常に難しく、大きく厚い壁となって私たちの前に立ちはだかっていることも事実です。今の日本の情勢の中で、障害がある方など弱い立場にある人たちが真っ先に社会状況のあおりやしわ寄せを受け、権利が充分に守られていないと感じます。
 このような状況の中で、もし私たちが自分ひとりでなにかを成し遂げようとするならば、もうとっくにぺしゃんこにくじけてしまって自分自身に対しての自信も元気もなくしてしまっていることでしょう。けれど、私たちは同じ願いをもつなかまたちとみんなで力をあわせて行動するとき、それが大きなうねりとなり厚い壁に穴を開けることがあることも常に経験しています。誠実に想いをこめて伝えることが、ひとりの人を動かす事があることも。
「一人ひとりの権利を確実に守っていく」
 決して譲ることのできないこの行動をこれからも保障するためには、きちんとした制度で動かぬものにしていくことが不可欠です。障害者権利条約の日本での批准や、そしてそれをかざりものにしないために私たち一人ひとりがしっかり現行法を確認していくことが必要です。
「あたりまえの権利を守る」ことの重要なひとつに「権利擁護事業」や「成年後見制度」があります。金銭的な権利を守ったり、トラブルにまき込まれることを防いだり、人生における大きな決断を迫られる状況にあるときなどにサポートを受ける事を可能にします。
 障害のある方や高齢の方の中には、財産をうまく管理することが出来ずに他人に家や土地も何も残らないほどにごっそりと利用されてしまったり、障害年金を悪用されてしまったり、理解が難しい事を利用され権利侵害を受ける場合がとても多いのです。生活の苦しさからあちこちで借金をしてしまい、多重債務を抱えたまま処理の方法もわからずに苦しみながら生活をされている方にもよく出会います。
 次回はこのテーマについて 麦の郷など福祉関係団体が参加して設立された特定非営利活動法人 成年後見 紀の国サポートセンターに活動の紹介をしていただきたいと思います。

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