ほっとけやん
ほっとけやん41

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~地域とともに生きる~
わかやま新報2010年10月7日掲載

『アザは私の色』~顔をあげて歩こう~
麦の郷紀の川・岩出生活支援センター 藤本 綾子

 氏家志穂さんは、今から9年ほど前、中学2年生のころにあざのあることでいじめられ、傷つき、学校に行くことができなくなりました。そして遠く有田市から約1時間かけてお母さんとともに相談に来てくれたのです。大きなあざと伏し目がちで、どこか挑戦的な目をした彼女を見て、このあざのあることでつらい目にあったのだろうということは、相談を聞くまでもなくわかりました。
 それ以降お母さんとともに訪れてくれることになったのですが、私との行き違いで1年ほどセンターに来なかった時期もありました。その彼女が、3年半前に「自分はまだしんどい。だからこそ自分と同じようにあざがあることで苦しんでいる人や子どもと交流し、支え合いたい。」と言い始めました。そこで、NPOセンターで話をうかがうなどして準備をすすめ、2007年8月にあざと共に生きる会「Fu*clover(フクローバー)」を立ち上げるに至りました。新聞各社に彼女の実名と写真入りでこの会のことを取り上げていただくことで、新しい仲間ができた上に支えてくださる応援団もできました。
 そして、昨年9月にはNHK教育テレビの『きらっといきる』に出演させていただき、幅広いみなさんに知っていただく機会を得ました。それ以降、さらに仲間が増え、今では月1回の集まりに大阪や奈良からの参加もあります。
 仲間との支え合いやいろいろな人たちの応援や支援によって、彼女が堂々と顔をあげて歩くことができるようになったばかりか、あざのある人など見た目問題で悩む人への理解が広がっていることはとてもうれしいことです。生まれながらにしてあったあざのことを受け入れ、仲間ができた彼女には、すてきな出会いがあり、昨年結婚。そして今年かわいい男の子を出産し、母として忙しい毎日を送っています。
 また、ことし8月にはシルキースペシャル9月号(白泉社発行)で『アザは私の色』と題し漫画化されたのです。これにより、今まで見た目問題について伝えることのできなかった若い人たちへもメッセージを送ることができたのではないかと思っています。
 いろいろなことがありながらもしっかり生きてきた彼女。ちょっと強がりなところもあるけど、とてもやさしくて人を思いやることのできる、まだ23歳の彼女。仲間や見守ってくれる人たちに支えられ、子育てと夫の仕事のサポートに奮闘中です。もしどこかで出会ったら、「志穂ちゃん!」って声をかけてくださいね。

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