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~地域とともに生きる~
わかやま新報2011年11月3日掲載

創ろう、みんなの障害者総合福祉法を! ― 前編 ―
きょうされん全国理事 鈴木栄作

 国は国連の障害者権利条約の批准に向け、国内法の整備をはじめとする障害者に関わる制度の改革を集中的に進めています。改革の3つの柱は障害者基本法の改正、障害者総合福祉法の制定、障害者差別禁止法の制定です。
 改革を進めるにあたり、2009年12月に政府内に「障がい者制度改革推進本部」が設置され、その下に「障がい者制度改革推進会議」(以下、推進会議)を設け、障害当事者の意見が反映できるとても画期的な仕組みの中で議論がなされてきています。
 そんな中、ことし7月29日には障害者基本法の改正法が成立し、8月5日に公布されました。推進会議でまとめた障害者の権利を主張した意見は十分反映されませんでしたが、改正前のものと比べると障害者の範囲の拡大や手話を言語と認める条項など前進面も多く見られました。
 続いて、8月30日には「障害者総合福祉法に関する骨格提言」(以下、骨格提言)が、推進会議の下に設けられた55人のメンバーからなる総合福祉部会の意見として提出されました。骨格提言は、推進会議を通し障害者制度改革推進担当大臣に手渡されました。来年の通常国会に向けて厚労省が法案を作成し、上程、審議される予定です。
 この障害者制度改革の動きを多くの国民のみなさんに知ってもらうために、先日10月28日に東京の日比谷公園で、全国から1万人の障害者団体の方が集う大フォーラムが開催されました。大フォーラムは、「創ろう、みんなの障害者総合福祉法を!」と称し、JDF(日本障害フォーラム)の主催で、障害者総合福祉法の制定に向けて骨格提言に基づいた法案づくりがなされることを主張し、確認し合いました(JDFとは、障害のある当事者や家族などでつくる全国組織で、国連の障害者権利条約の制定過程の傍聴活動や推進会議、総合福祉部会、東日本大震災で被災した障害者支援活動などを行っています)。
 私たちの和歌山からも約50人が参加し、情報を共有しながら全国の大きな連帯の輪に加わってきました。
 大フォーラムに参加した私たちの使命は、骨格提言の中身を和歌山のみんなに知らせていくことです。骨格提言の内容については次号の掲載で紹介したいと思いますが、その土台となっているものは、障害者自立支援法違憲訴訟で国と交わした基本合意文書と障害者権利条約です。障害のある人に特別な権利を決めているのではなく、障害のない人との平等や公平性、すなわち当たり前の暮らしを求めています。
障害者自立支援法に代わる障害者総合福祉法の制定が、国民全体の生活水準の引き上げにつながるように大きな期待を寄せています。

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