ほっとけやん

ほっとけやん61
~地域とともに生きる~
わかやま新報2012年6月7日掲載

那賀圏域の宿泊避難訓練
麦の郷 紀の川・岩出生活支援センター 藤本綾子

 那賀圏域障害児者自立支援協議会は、岩出市と紀の川市の障害児者支援の関係機関が支援体制の共有や連携を図るとともに、体制の整備を行うことを目的に平成20年1月に設立されました。そして、分野別の課題を議論する専門部会では、精神障害部会、就労支援部会、防災部会、こども部会、あんしんノートプロジェクトがそれぞれに活動しています。
 2年前に設置された防災部会では、昨年の避難訓練に続きことし3月、大規模な災害が発生した時に障害のある人たちは避難所でどのように過ごすことができるのか、またこれからの地域防災やシステムにどう生かしていけるのかという検証を行うことを目的に、初めての宿泊避難訓練を行いました。
 当日は身体障害、知的障害、精神障害のある7歳から70代までの19人の方を含め、家族・支援者・地域住民と防災部会員の約60人が参加。紀伊山脈中央構造線で直下型地震が発生し紀の川市で震度7の揺れが起こり家屋の倒壊が発生している状態を想定し、指定避難所に集まってきたという場面から体験しました。
 会場となった貴志川保健福祉センターに集まった人たちは、受付での名簿記入から始まり、平土間の広い空間での居場所確保や食事の準備等の後、アルファ米と缶入りパンなど非常食の夕食をとりました。続いて避難所運営ゲーム(HUG)をするグループとレクリエーションを楽しむグループに分かれて活動を行ってから就寝となりました。
 翌朝、参加者からは「段ボールと毛布2枚だけでは予想以上に寒かった」「1泊なら我慢できても、何日にもなると大変」「人の気配を感じて何度も目が覚めた」などの感想が出され、約半数の人が眠れなかったということが分かりました。
 また、この経験から「避難所では何かと気を遣わなければならず大変と思った」「知り合いが一緒にいることで安心感があった」「実際災害に遭った時にどうなるかは不安だがイメージできた」という感想とともに「障害特性を理解して対応してくれる避難所がほしい」「自分と違う障害のある人の大変さも分かった」という感想も出されました。
 この避難訓練を通じて、障害のある人を含めた地域での災害時の対応方法や避難所そのもののあり方について考えていく必要があることを感じました。そして、改めて障害についての理解を深めることの重要性を実感しました。
 また、障害があってもなくても一人ひとりが日ごろから、“災害はいつ起きてもおかしくない”という前提で、「備え」を考えていくことと、地域には障害のある人を含めいろいろな困難を抱えた人がいるということを念頭におき、「つながり」を大切にすることを忘れてはならないと思います。

←戻る62話へ→

上に戻る

Copyright (c) 2001-2005 麦の郷. All rights reserved.