ほっとけやん

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~地域とともに生きる~
わかやま新報2013年4月4日掲載

社会的ひきこもり支援者 全国実践交流会に参加して
麦の郷 ひきこもり者社会参加支援センター
ハートフルハウス (はじめ) 森橋美穂

 2月23、24の両日、宮崎県で社会的ひきこもり支援者全国交流会が行われました。この全国交流会は和歌山のエルシティオが事務局を担い、第1回(2006年)を和歌山市で開催、全国に発信してきたという経過があります。
 そして第8回となる今回は「社会的ひきこもりの総合的支援をめざして」と題して全国の居場所、サポステ、行政関係、親の会などさまざまなひきこもり支援・若者支援を行う団体、そして当事者を合わせ450人を超える参加者が集いました。
 今回の全国交流会は、大きく3つの視点で検討課題が挙げられました。1つ目は、「支援する側、される側という関係性を越えて共に育ちあう関係を追求する居場所実践について」。2つ目は「ひきこもりの原因は若者個人のみの問題ではなく、社会の問題として捉えること」。そして最後に「新たな働き方を検討する」ことです。
 その中で再認識したことは、個人がそれぞれに就労に向けた訓練を行うことではなく、対等な関係性の中でゆっくりと自分自身を見つめ、表現したり議論できる主体的な集団の場が大切だということ。集団の中で育ちあうという視点を大切にし、新たな自分の発見ができるような活動を行うことです。
 「就労支援と仕事おこし」の分科会では麦の郷理事長の田中秀樹より、同法人が“だれもがあたりまえに地域で安心して暮らす・働く”という一貫した信念を持って行ってきた36年間の活動報告から、今後さらに幅広い生活ニーズの受け皿を作るため、「仕事づくりはまちづくり」という総合的な6次産業という新たな提案がされました。
 また障害があるなしにかかわらず、ひきこもり経験のある人には段階的なステップを踏むことができる「中間的就労」などさまざまな働き方が必要であると報告されました。
 同センターでの今年度(2月まで)の相談件数をまとめたところ500件以上の相談がありました。このうち、「創」などの居場所に通っていたり、何らかの支援を受けている人はほんの一握りで、地域にはまだまだ居場所や仕事、社会参加へとつながっていない人たちがたくさんいます。今ある社会資源に当てはめようとするのではなく、“ない資源は創り出す”という、麦の郷の理念を大切にし、ニーズをつかみ、地域の特徴を生かした法人内外での新しい働き方の工夫、みんなが活躍できる場の展開を考えていけたらと思います。
 そのためには、幅広く人と人とがつながり、恊働しながら創り出すことが大切だと感じました。

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