ほっとけやん

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~地域とともに生きる~
わかやま新報2014年11月6日掲載

新鮮地元農家の野菜などを地域のお客さんに届ける
社会福祉法人一麦会
はぐるま共同作業所 和の杜出張所「麦市」辻岡 裕

 2011年8月にオープンした農産物直売所「麦市」は、早いもので今年で4年目になります。その間、麦の郷が開いた直売所として、近隣スーパー閉店の余波で生まれた、毎日の買い物にも不便するいわゆる買い物弱者――例えば一人暮らしの高齢者や、車などの移動手段を持たない方の一助となることを目標の一つとして、地元農家さんがつくった新鮮野菜を地域のお客さまにお届けしてまいりました。おかげさまでありがたいことに、お客さまからは「ここ(麦市)があって買い物が助かる」と声を掛けていただけるようにもなりました。
 同時にこの3年は、直売所の看板を掲げた作業所として、一般就労が難しい、障害を持った人やひきこもっていた人(これはぼくもそうだったのですが)など、ともすると社会とのつながりが希薄になりかねない人の働く場であり続けた時間でもありました。現在では、さまざまな障害を持ったメンバーが、自分のペースで野菜の品出し、仕入れ、接客、配達等々の仕事をして店を盛り立て、それぞれが持つ力を、ひいてはその人自身を、地域に根差した麦市というアダプターを介して地域に投げこみ飛び込みしていきながら、忙しい毎日を過ごしています。
 さて、そんな麦市より、最近の活動を一つご紹介します。
 宇都宮病院さん(鳴神)の軒先をお借りし、毎週木曜日正午~午後1時の間に出張販売を始めました。というのも、当該地域において展開していたスーパーが閉店して以降、ここでも買い物弱者が出ていると、宇都宮病院の方から伺ったからです。麦市開店当初と似た状況が思い出され、それならばぜひ、ということで宇都宮病院さんと連携し、去る9月25日、さっそく第1回目の出張販売を実施しました。
 これまでに取りそろえた商品は、皮がはち切れそうなくらい新鮮な巨峰、和歌山では珍しい地場産の生落花生、パリッとみずみずしいホウレン草、コクのある甘さのミカンなど約40種類の青果と、麦の郷の各作業所で作っている、手づくりの焼きたてパン、コロッケなどの惣菜、ほかにもゼリーや煎餅、ジュースまで。
 宇都宮病院さんのお心遣いで、事前に地域の敬老会で出張販売のチラシを配っていただきました。そのかいあって、初回からお客さまにご利用いただくことができました。ちなみに当日もチラシを持参したのですが、買い物をしてくれたお客さまが、帰り際に「みんなにも配るからもう何枚かもらうわ」と余分にチラシを預かってくださったり、第2回目の販売では開店前から待っていてくださったりと、まだ販売回数は少ないものの、確かな手応えを感じています。これからも麦市は出張販売にお伺いし、そこにある地域の方々のニーズに応えていければと考えています。
 では、まだお越しになられたことがない方も、ぜひ次の木曜日にどうぞ。ご来店お待ちしています。

◇宇都宮病院・「麦市」出張販売=毎週木曜日正午~午後1時オープン
▽社会福祉法人一麦会「麦市」(℡073・460・7109)

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