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~地域とともに生きる~
わかやま新報2015年3月5日掲載

麦の郷ツアーで将来の見通しを
児童発達支援センター 尾崎 由加子

 児童発達支援センター「こじか園」は1997年に無認可時代13年を経て精神薄弱児通園施設として認可され、山口地区の上黒谷に新しい園舎が建設されました。「ひとりぼっちのお母さんをつくらない」という思いで保健師、発達相談員、教師、保育士などが集まり「子ども達の発達を支える会」を発足したのが始まりです。
 「こじか園」は就学前の3歳から6歳までの子どもたちが毎日お友達と一緒に当たり前の生活を大事にし、自然の中で楽しい活動を経験しています。どの子も豊かな豊かな子どもを育てていきたいと願いを持って毎日の保育をしています。療育には毎日の保育と両輪で保護者の支援もあります。お母さんたちが子育てを楽しめるように、子どもが愛しく感じられるように保護者学習会をしたり、交流をしたり、親子保育をしたりいろいろ取り組んでいます。また保護者が主体的に親の会活動を行っています。親の会活動の中で「全国障害者問題研究会」が毎月発刊している「みんなのねがい」の本を読む会を年3回行っています(こじか園は職員、保護者が毎月購読しています)。本年度はそのうちの1回は本の輪読会をせずに麦の郷見学ツアーを企画し10月28日(火)に行きました。こじか園は麦の郷(社会福祉法人一麦会)の法人です。法人には成人した方々の働く作業所、生活するグループホームなどの施設があります。まだまだ3歳から6歳の子どもたちのお母さんたち、作業所ってどんな所?グループホームとは?イメージできないと思いますが、ツアーで実際に見ることでこれからの見通しが持てたり、反対に障害ということを目の当たりにしてショックを受けたりもします。もちろん作業所には、こじか園を卒業した先輩方も働いています。ツアーに参加したお母さんたちの感想文からです。「障害の特性を生かし、信頼して仕事をさせてくれていることに感謝の気持ちがいっぱいになりました。どんな人間でも仕事をするという喜びや、やりがいが生きていく上で大事なこと、毎日行ける場所があるという安心感、人が生きている意味を教えてもらった気がします」「こじか園を卒業された皆さんが元気に楽しそうにしている様子が見られてうれしく感じました。わが子もこんなふうに育ってくれたらいいなと思いました。これは無理だろう。できないだろう。と決めてしまってはいけないというお話を聞き、いま子育てでも言えることだなと思いました。子どもの将来には不安はあるけれど、先は明るく楽しみなものになりました」「麦の郷ツアーに参加してみて目からウロコでした。息子の将来を考えた時とても心配でした。親元から離れ、グループホームで生活している場所も見学させてもらい、この子が死ぬまで面倒見ないといけないかなと思っていた不安がツアーで取り払われました」「わが子が死ぬまで面倒を見なければ…という考えが間違いだったとつい最近気付かされたばかりで、グループホームの見学に行ったことが立証してくれたような気がします。あんな施設でわが子が自立した生活をしているかもしれない未来を想像すると、いまからワクワクします。そのためにこれからいろいろな経験をたくさん積んで、すくすく元気に育ってもらいたいです。ツアーに参加させていただいて漠然ではありますが、わが子の将来がイメージでき、目標(夢、希望)みたいなものを思い描くことができ勉強になりました」。子どもの障害が分かったときから子どものよりも一日だけ長く生きていたいと思っている人が多いですが、今回のようなツアーに参加することで子育ての考えや視野が広がります。そして制度にも目を向けて社会を考える機会にもなります。子どもの障害が分かり、障害を受け入れていくのに、ずいぶん悩み葛藤しながらお母さんたちは子育てしています。だからこそこんなツアーが必要だと思います。


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