ほっとけやん

ほっとけやん98
~地域とともに生きる~
わかやま新報2015年7月2日掲載

「やれば、できるさ!」DVD上映会&リレートーク

麦の郷サポートセンター 川村 ゆり

 世界で最も精神科病院の平均在院日数が長いなど、後れを取っている我が国の精神医療は今なお、入院中心と言わざるを得ません。あらためて長期社会的入院患者の問題は人権問題として本質を捉え直し、早急に解決が求められなければなりません。今回の「精神科病棟転換型居住系施設」の提唱はいずれも病院の敷地内への退院であり、地域で当たり前に生活を送るものではなく到底認めるわけにはいきません。
 2015年4月1日(水)に実施された、この上映会の趣旨は、「精神科病棟転換型居住系施設」導入の動きに反対した取り組みについて、2014年6月26日に日比谷野外音楽堂にわずか1か月ほどの取り組みで全国から3千人が結集した背景、この問題への「怒り」、長い年月にわたる「思い」、心揺さぶる当事者の決意、「熱気」を映像によって全国に伝え、共感していく、ということが目的で上映されました。加えてリレートークでは、精神科病院に入院経験のある当事者に、「地域生活と、退院への思い」について語ってもらい、当事者たちの思いを伝えたいと思いました。
 参加者の感想では、DVD上映で、「長期入院中の方がいかに退院の気持ちを失っているか知った」「それを取り戻す働きが必要だと分かった」リレートークでは「退院時に実印を購入してもらって感激した」「退院したら自分の好きな時間にコーヒーが飲めるのが幸せ」「当たり前の『地域生活』が語られ、切実な思いに心打たれた」、などありました。
 当日はたくさんの当事者が参加、支援者関係機関職員、高齢者分野の方、和歌山県共同作業所連絡会、和歌山県社会福祉士会、和歌山県弁護士会、障害者自立支援法訴訟基本合意の完全実現をめざす和歌山の会からも参加いただきました。
 社会福祉士会からは、「この問題について、会に持ち帰り情報を共有、会としてどのように貢献していけるか検討していく」と。弁護士会からも、「法律の面から、この問題を検討、会を通じて活動していく」と発言がありました。
 病棟転換型居住系施設の問題については、いろんな考えや情報があると思いますが、今後は多くの方々にこのDVDを見ていただき、当事者や支援者がこの問題をどう捉えているのか、何を感じているのか、知っていただきたいと思います。その上で、精神科病院に長期入院されている方の問題をどうしていくのか、たくさんの方々と議論して問題を深め、解決の方向へ導いていけたらと思っています。

←戻る99話へ→

上に戻る

Copyright (c) 2001-2005 麦の郷. All rights reserved.