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~地域とともに生きる~
わかやま新報2015年8月6日掲載

‶健太さん事件から学ぶ!″

きょうされん全国理事 鈴木 栄作

 先日7月11日、「安永健太さん死亡事件の真相を考える関西集会」が神戸市勤労会館にて、関西や西日本各地から500人の参加者のもと開催されました。集会テーマ‶健太さん事件はどこにでも起こりうる問題″に他人事ではなく和歌山からも紀南の方も含め20人以上が参加し、健太さん死亡事件の真相究明や障害のある人の人権と地域生活について学び合いました。
 健太さん事件とは、2007年9月25日、佐賀市で暮らし、通所施設に通う知的障害のある安永健太さん(当時25歳)が、帰り道5人の警察官に突然取り押さえられ、後手錠をかけられ、何が起きたのかわからないまま命を奪われたとても痛ましい事件です。
 「なぜ健太さんは死ななければならなかったのか?」と、家族は真相究明を求めて刑事告訴に立ち上がりましたが、2012年9月、最高裁での上告棄却をもって被告の警察側は無罪となり刑事裁判は終結しました。とても納得できなかった家族は真相を明らかにするために民事裁判に戦いの場を移しています。2014年2月23日、佐賀地裁での判決では、佐賀県警は、警察官が健太さんに馬乗りになり後手錠をかけたことや健太さんの全身に100ヵ所以上の傷を負わせたことは認めたが、健太さんを知的障害者とは理解せず、精神錯乱者、凶暴な乱暴者で保護行為は適切であったとし、死亡原因を何ら明らかにせぬまま、わずか10数秒で閉廷しました。日本で障害者権利条約が発効した4日後のことでした。「不当判決を許してはならない!」「障害者権利条約批准国でこんな判決を確定させるわけにはいかない」、家族はもう一度勇気を振り絞って福岡高裁に控訴、ことし9月14日には結審、来年1月には判決を迎えます。
 障害者権利条約は、障害のある人が他の者と平等に地域で生活することを権利としました。その実現のためには、「身体の自由および安全」の権利や「非人道的な」取り扱い、「あらゆる形態の搾取、暴力及び虐待」の禁止が明記され、それらからの保護をうたった内容は、最も土台をなすものであり、まさしく今回の裁判で問われる問題でもあります。
 健太さん事件は、遠き佐賀の事件ではなく、障害のあるなしに関係なく身近な問題として考えていく必要があるでしょう。勇気ある行動をしてくれている安永さん家族を応援すると共に、二度とこのような事件を起こさないように誰もが安心して暮らせる地域づくりを知恵と汗を出し合いながら進めていきましょう。

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