概略説明

麦の郷の概略説明

設立過程
・1977年 30年前に6畳一間の長屋の一室から出発。
・障害者・家族との出会いの中で「ほっとけやん」(放っておけない)
として市民が必要なものをつくってきた。
・行政機関・民間団体の協働ですすめてきた。

麦の郷の歴史

麦の郷の事業

麦の郷の事業

特徴
①障害種別をこえる
障害児学校卒業生の受け入れから始まった麦の郷には、知的障害者、身体障害者以外に支援を必要とする人が訪ねてきた。支援を必要とする人を「ほっとけやん(放っておけない)」として受け入れてきた。 障害種別をこえ、福祉の谷間や対象とされていなかった人について支援の仕組みづくりをすすめた。 障害種別
②子どもから高齢者までを支援する仕組み
・幼児期から高齢期まで利用・登録する人は1,000人をこえる。
・障害種別をこえ、ライフサイクルを通じての活動は幅広い問題解決を可能にする。それに関わる専門家相互に協力関係をもつことができる。それは「人間」に関する共通の課題を仕事にしているから専門性が生かせる。
・力量をこえる支援ができることは無いが、「支援を必要」とする人をまず受け止め、そこから解決にむけて歩むことにしている。そのためにはさまざまな手段(総合的)が必要である。
ライフサイクル
③「地域に必要とされる・地域の誇り」の施設・事業
・障害者施設は「できたら近くに来てほしくない」というのは本音。麦の郷では、精神障害者施設、知的障害者施設、障害児通園施設での地域の反対運動を経験。最近では県内の2ヶ所で反対運動がおこり麦の郷から支援に入る。全国で反対運動がおこり建設できない状況もある。 
地域には様々な福祉要求があり、障害者・高齢者への支援を求めている。地域に役に立たつ施設であれば地域の財産、地域の誇りとして支援が広がる。
地域の高齢者福祉のために「高齢者生活支援センター」・「みんなの家」西和佐を麦の郷が開設した。
スローガン
 
④ 障害者スタッフが活躍 「半分の障害者が、半分の障害者を支える」
障害をもつスタッフが障害をもつ利用者を支援する。能力のある障害をもつ人に活躍する場を提供する。障害者福祉関係機関は職場を開放すべきである。
(ニュージーランドでは、精神保健関係で30%のコンシューマースタッフ(障害者スタッフ)が働いている。) 障害別
  身体障害者(肢体障害・聴覚言語障害)・精神障害者(統合失調症)、内部障害者(腎機能障害)
職種
施設長・ジョブコーチ・ヘルパー・グループホームキーパー
障害者をもつスタッフが活躍
⑤経済的自立 生活保護の返上 納税者として
地域で経済的に自立した生活を送ることができるように、働く力のある人には最低賃金を、少し支援が必要な人には5万円の工賃と障害者2級年金で生活ができるようにすすめた。
経済的余裕はグループホームや地域でのアパート生活を可能にした。
また、生活保護の支援を受けていた人も工賃がふえることで納税者として独り立ちをしていく。
納税者として
⑥麦の郷の労働支援
・労働の場:クリーニング、印刷、ウエス製造、食品の加工・製造(冷凍食品・豆腐・納豆・うどんなど)、パン、お菓子(クッキー・せんべい・ぜりー・わらびもちなど)、など選択できる職種を増やしています。
・仕事開発:新しい仕事をつくり、働く場を広げていきます。
・ヘルパーの養成:サービス事業で働く人を養成しています。
・法人職員への雇用:障害のある人を職員として雇用しています。
・一般事業所への就労支援:麦の郷就労生活支援センター「つれもて」では一般企業で働くことが出来るように、職場開拓、就労訓練、ジョブサポーターの同行などの支援をおこないます。
労働支援
 
⑦結婚したカップル12組
・経済的な余裕ができることによって結婚するカップルが増える。
・二人で支えあうことは、これまでの必要とした支援が少なくなる。
・2人の収入を合わせると生活は安定する。
結婚したカップル
⑧高齢者とともに 
・退職した高齢者が障害者とともに働いている人が37人。有能な技術や社会経験を豊富にもつ高齢者が、社会貢献(雇われたくない・社会で役に立ちたい)をしたいという意思をもってクリーニング、印刷、送迎、グループホームなどの現場で働く。
・若い障害者が高齢者を力の面で支援、高齢者は経験を生かして仕事の技術面で支援する。対人関係が苦手な障害者が、自然な人間関係で成長している。
職種
⑨再チャレンジができる
麦の郷を利用できなくなった人が10年間で100人をこえた。再入院や在宅になった人たちにもう再度挑戦できるような仕組みづくりをすすめた。
・出前サービス(アウトリーチ) 精神障害者地域生活支援センター、精神科クリニック、クリニックデイケア、訪問看護ステーションを開設し地域へ活動を広げた。
・地域ネットワーク 病院、診療所、保健所、関係機関とのネットワークをつくり連携をすすめた。
そうする中で、半数以上が再挑戦している。
再チャレンジができる
⑩不登校児、ひきこもり青年支援
・麦の郷を利用する精神障害者の多くの人は思春期、青年期の発病で不登校・ひきこもりという状態像をあらわすことが多い。
・不登校児の居場所「ハートフルハウス」での139人の追跡調査を実施。20~30%精神医療支援が必要とされた。早期の発見や対応が発病をおさえたり、発病しても軽く抑えることができるのではないか。
・そのために、不登校児の居場所「ハートフルハウス」、ひきこもり青年支援の作業所「エルシティオ」を不登校・ひきこもりの支援団体と協同して開設した。
ひきこもり青年支援
⑪日本の5つのベスト・プラクティス(先進的活動)
1999年にWHO・WAPR(世界心理社会的リハビリテーション学会)の合同選考委員会で認定される。
世界から150余りがノミネートされ、最終的にアフリカ5ヶ所、アジア15ヶ所、オーストラリア・ニュージーランド7ヶ所、ヨーロッパ22ヶ所、カナダ14ヶ所、アメリカ合衆国15ヶ所、南アメリカ5ヶ所の合計83ヶ所が認定された。(認定調査に約5年間を要した)
ベスト・プラクティス
⑫実習施設として
・年間を通じて見学者、実習者を受け入れている。
・福祉専門学校、教員養成大学、看護学校(県立高等看護学校・日赤看護学校・労災看護学校など)
・司法修習生
⑬当事者活動への支援 「私たちは一人ぼっちではない」
・精神障害者・・和歌山市精神障害者回復者サークル  ・和歌山県精神障害者団体連合会
ピアカウンセリング、学習会、交流会など 
  ・知的障害者・・青年学級「すばらしき仲間たち」120人をこえる登録者定例交流会 踊りのサークル活動  県内8ヶ所
※2005年12月 日本弁護士連合会・第48回人権擁護大会」で精神障害者問題について当事者が報告する。
当事者活動への支援
⑭ヘルパー養成講座を実施
・知的障害者2級ヘルパー養成講座
知的障害者の雇用をすすめるために、2級の講座を実施。特別養護老人ホーム、病院に採用される。
・2級ヘルパー養成講座(一般)
 精神障害者、ひきこもり青年、不登校生徒が受講。ピアヘルパー、高齢者デイサービス、児童デイサービスで活躍
 障害児者をかかえる母親の受講。
 母親の働く機会を増やす。高齢者ヘルパー事業所などで活躍。
ヘルパー養成講座を実施
⑮地域啓発  地域の反対運動
・全県キャンペーン 1989年4月、遅れている精神障害者問題の啓発のために、県内9ヶ所で映画と講演のつどいを開催。精神障害者、家族、医師、作業所関係者が訴える。 延べ2,000人との直接対話。
・県内2ヶ所で反対運動。麦の郷から支援する。
・「ハンセン病」「精神障害」については避けてきた問題。国・行政、国民が直接向き合って、問題解決にあたらなければならない。
地域啓発

麦の郷の基本姿勢・提案

20歳(成人)になったら、地域で独立した生活をおくる。親も自立する
・障害をもっていても成人すれば一人の社会人として地域で独立した生活をおくることができるようする。そのためにはどのような「支援」「仕組み」が必要なのかを考えていく。
・公的な支援、不足する資源をつくりだしていく。
・麦の郷は、家族を受け皿にしない。親も自分の人生を大切に生きる。社会へ貢献をする。
・単独ではできない。多くの人(公的機関、民間団体)と手をつなぎ地域で支える力を高めていく。 そのための問題点
①障害乳幼児の問題 
・出生数の3%が、乳幼児健診で「障害・発達の遅れ」などを指摘されている。
・軽度発達障害児の発見には5歳児健診が必要。
・健診後の早期のフォロー体制が不足し、障害を重度化している。
  ・若い親の子育て支援 母親教室、進路相談・発達相談
・障害の発見 医師・心理士・ソーシャルワーカーの不足。
障害者の高齢化、重度化がすすむ
・知的障害に精神障害 二次障害
・早期高齢化 病弱化 
・一般企業離職者・二次障害  19/50人 39%
②濃厚な支援が必要な事例が発見されている
・30数年間完全在宅
・粉ミルクだけで54年間
・孤独死した人 
③障害者の高齢化、親の高齢化がすすむ 
・親の高齢化や死亡によって支え手が少なくなる。また本人の高齢化による病弱化、重度化がすすむ。
④貧困化がすすむ (養護学校・就学前、作業所)
・養護学校・就学奨励費受給 (70%/全額 20%/半額)(和歌山県内の養護学校 3校の聞き取り調査) 制度依存を強める。
⑤不登校児、社会的ひきこもり青年に精神保健福祉の支援
・20~30%の精神保健医療のいる人がある。(不登校児の居場所・麦の郷ハートフルハウス利用者の追跡調査)
・軽度発達障害(LD、ADHD、軽度自閉など)含まれている。「いじめ」の対象になりやすい。
⑥難病・中途障害への支援
・福祉の谷間に置かれている障害者への制度が整っていない。
・難病、交通事故後遺障害、高次脳機能障害・・
・「難病・中途障害者」の作業所 ワークショップ・フラットの開設を支援する。
⑦森永ヒ素ミルク被害の障害者の支援
・50才をこえた被害者たち。その家族はもっと高齢・弱体化して支える力が弱っているか、亡くなっている。
・その被害者を麦の郷などの作業所が支援をしている。

上に戻る

Copyright (c) 2001-2005 麦の郷. All rights reserved.