オーダーメイド型の福祉を目指して
障害者が住み、働き、憩う場や早期療育の場を追求する運動は、和歌山市西和佐地区、山口地区、紀の川市粉河地区、那賀地区のみなさまの理解と協力を得て発展し「麦の郷」を創ってきました。
私たちは、なかま達(障害当事者)と共にオーダーメイド型の福祉を築きあげたいと考えています。それは、いまある社会に「適応」するのではなく、いまある社会を暮らしやすい社会に変革しつつ、社会に「参加」するなかで可能となります。
日本国憲法第25条で規定する「最低限度の生活」は、搾取や排除のない社会を築き上げるなかで可能となります。麦の郷は、一人ひとりが、価値ある人生を手に入れる為に、日々の暮らしや実践を見極め、社会的不利のなかで権利が守られていない人を守る運動を展開し続けます。
日本国憲法第13条は、独立した存在である国民が、幸福を追い求めることを権利として規定しています。私たちは、なかま達がどんなに重い障害をもっていても、困難な課題をもっていても、幸福を追い求めることができる独立した存在であると考え実践を展開してきました。精神科病院のなかで束縛され不自由を強いられていたなかま達に、地域で暮らし、働き、収入を得ることを保障してきました。
今、一粒の麦が和歌山の地に蒔かれ、芽がで、穂を出し、実がたくさん結ばれつつあるのです。麦の郷は、常に地域の方々と共に社会に向けて発信し行動していきます。
麦の郷 4つの理念
- 麦の郷は、社会的不利の状態におかれている人々の課題を解決するために、広範な人々とつながりを深め、ともに社会変革をめざします。
- 麦の郷は、全ての人が平和で安心して暮らせる社会づくりのために人の輪を紡いでいきます。
- 麦の郷は、ものづくりを通じて障害のある人と地域の共存を実現し、お互いに豊かになる実践をめざします。
- 麦の郷は、日々学び、育み、発信し続ける人材を育成し、地域福祉の発展をめざします。
麦の郷 年表
S52 | 1977 | 3月 | 「たつのこ共同作業所」 発足(無認可) |
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S59 | 1984 | 6月 | 社会福祉法人希望福祉会として認可 |
S60 | 1985 | 4月 | 障害児通園施設「こじか園」開所(1997年に認可) |
5月 | 「たつのこ共同作業所」が福)希望福祉会 知的障害者通所授産施設「黒潮作業所」として開所(現「くろしお作業所」) | ||
S62 | 1987 | 3月 | 「はぐるま共同作業所」開所(1994年に認可) |
S63 | 1988 | 1月 | (有)障害者自立工場 設立 クリーニング事業開始(後のソーシャル ファーム ピネルに続く) |
10月 | 福)希望福祉会 知的障害者グループホーム「あいあいホーム」開所 | ||
H1 | 1989 | 2月 | 社会福祉法人一麦会として認可 |
4月 | 精神障害者の社会復帰を進める全県キャンペーン | ||
H2 | 1990 | 5月 | 福)一麦会 精神障害者生活訓練施設「麦の芽ホーム」開所 |
福)一麦会 精神障害者通所授産施設「むぎ共同作業所」開所(後に「ソーシャルファームピネル」と合併) | |||
H3 | 1991 | 6月 | 障害者自立工場 印刷部 開始(現「麦の郷印刷」) |
12月 | 黒潮第2作業所 開所(無認可)ウエス製造事業開始(現「叶夢向」) | ||
H4 | 1992 | 10月 | 精神障害者地域生活援助事業「麦の郷社員寮」開所 |
H6 | 1993 | 3月 | 社会福祉法人一麦会が社会福祉法人希望福祉会と法人合併(以下(福)省略) |
H6 | 1994 | 麦の郷障害者地域リハビリテーション研究所 開設 | |
H7 | 1995 | 4月 | 精神障害者福祉工場「ソーシャル ファーム ピネル」開所(全国初の精神障害者の福祉工場) |
10月 | 精神障害者地域生活支援センター「岩出地域生活支援センター」開所 | ||
H8 | 1996 | 4月 | 不登校児童のための支援施設「ハートフルハウス」開所(岩出地域生活支援センターの事業) |
H9 | 1997 | 2月 | 精神障害者地域生活支援センター「和歌山生活支援センター(アドボカシーセンター)」 開所 |
H10 | 1998 | 9月 | 「ソーシャルファームピネル」食品部(企業内作業所)開始(後の「けいじん舎」) |
10月 | 知的障害者地域療育支援事業(国事業)開始(現「サポートセンター「麦の郷」」) | ||
H11 | 1999 | 5月 | 「麦の郷訪問看護ステーション」開所 |
H13 | 2001 | 6月 | 「ソーシャルファームピネル」食品部が紀ノ川農協と提携して風車(ファーマーズマーケット紀ノ川「ふうの丘」飲食店)をOpen |
H15 | 2003 | 4月 | 知的障害者通所授産施設「はぐるま共同作業所分場(食品加工センター)」 開所(現「はぐるま共同作業所和の杜」) |
H16 | 2004 | 4月 | 「障害者就業・生活支援センター つれもて」事業委託 |
H17 | 2005 | 4月 | 知的障害者通所授産施設「はぐるま共同作業所第2分場ラ・テール」 開所(現「はぐるま共同作業所ラ・テール」) |
7月 | 高齢者小規模多機能ホーム「みんなの家西和佐」 開所 | ||
H18 | 2006 | 10月 | 地域生活援助事業「麦の郷居住福祉事業所」 開設 |
H19 | 2007 | きょうされん30周年記念映画「ふるさとをください」のモデルに | |
H21 | 2009 | 7月 | 社会的ひきこもり者支援センター「ハートフルハウス創~HAJIME~」 開始(紀の川・岩出生活支援センター内) |
H23 | 2011 | 4月 | 就労継続支援B型「むぎピース」開所 |
H24 | 2012 | 3月 | 障害児通所支援事業「第二こじか園」 開所 |
H25 | 2013 | 7月 | 山崎邸にて古民家カフェ「創café」オープン |
H26 | 2014 | 4月 | 就労継続支援A型「ソーシャルファームもぎたて」開所 |
6月 | むぎピース出張所「ポングリ図画耕作所」(山崎邸内)開所(現「Po-zkk」) | ||
H27 | 2015 | 4月 | ソーシャルファームもぎたて「café mulino」オープン |
H28 | 2016 | 4月 | 就労継続支援B型「六星舎」開所 |
H30 | 2018 | 4月 | 就労継続支援B型「叶夢向」開所(元くろしお作業所分場 め組) |
くろしお作業所 出張所「ソール」(元くろしお作業所分場・里)開始 | |||
H31 | 2019 | 4月 | ひきこもりサポート事業「ハートフルハウス創」開始 |
7月 | くろしお作業所B型開始 | ||
R5 | 2023 | 4月 | 就労継続支援B型「Po-zkk」→「meglück」に名称変更 |
サポートセンター「麦の郷」と麦の郷 和歌山生活支援センターが統合 |
各受賞
H7 | 1995 | 10月 | 第47回保健文化賞(主催・第一生命) 受賞 |
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H12 | 2000 | 7月 | 世界心理社会的リハビリテーション学会(WAPR) のベストプラクティス(先進的活動施設)に認定 |
H12 | 2000 | 12月 | 麦の郷障害者地域リハビリテーション研究所所長 伊藤静美が第1回ヤマト福祉財団賞 受賞 |
H15 | 2003 | 5月 | 『日本精神神経学会』精神医療奨励賞 受賞 |
H16 | 2004 | 6月 | 『第1回日本地域福祉学会』地域福祉優秀実践賞 受賞 |
10月 | 麦の郷障害者地域リハビリテーション研究所所長 伊藤静美が 「社団法人日本精神保健福祉連盟」(第52回精神保健福祉全国大会) 受賞 |
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H17 | 2005 | 10月 | 麦の郷障害者地域リハビリテーション研究所所長 伊藤静美が 「厚生労働大臣賞」受賞 |
H18 | 2006 | 10月 | 麦の郷障害者地域リハビリテーション研究所所長 伊藤静美が 和歌山県第1回地域おこし大賞 受賞 |
H29 | 2017 | 10月 | 麦の郷紀の川生活支援センター センター長 藤本綾子が 「社団法人日本精神保健福祉連盟」(第65回精神保健福祉全国大会)会長表彰 受賞 |
R3 | 2021 | 3月 | ソーシャルファームもぎたてが 「ノウフク・アワード2021」(農福連携等応援コンソーシアム)優秀賞 受賞 |
R3 | 2021 | 12月 | 障害者就業・生活支援センター 鈴木栄作が 第19回「紀の国チャレンジド賞」 知事表彰 受賞 |
R3 | 2021 | 12月 | ゆめ・やりたいこと実現センターが 「障害者の生涯学習支援活動」(地域連携による障害者の生涯学習機会の拡大促進) 文部科学大臣奨励者表彰 受賞 |