在宅障害者の支援交流会
出会い喜び「心宿れる場」
年に数回会ってお互いの近況を報告し、交流を深める、そんなグループがあります。
県内の在宅障害者の支援交流会「やどり木」。
脳性まひの重度肢体障害のメンバーが名づけてくれました。 「私たち在宅になっている障害者にとって、この交流会は心が宿れるような場だから」と。
支援学校卒業後も進路の決まらない現状を考えようと、90年代後半、在宅障害者の実態アンケートを行い、生々しい切実な声が集められました。
これを機に、できることからやっていこうと始まったのが、支援交流会です。春は花見、夏は祭り、秋はハイキング、冬はクリスマスや神社へ。
外出の機会の少ない方たちが、日常の中で外に出る機会を増やし、また生活の楽しみになるようにと、行われています。 このグループのメンバーは、ほとんどの方が車椅子を使って移動します。
会の発足当時からたくさんのボランティアの方たちが参加し、車椅子での移動、車の乗降の介助、トイレの介助などをしています。
もう何年も続けているので、ボランティアとメンバーとの息もぴったり合い、寄り添うようにそばにいてくださいます。
年に数回、季節ごとの催しですが、メンバーは心待ちにしている活動になっています。
外出の機会がこの活動ぐらいしかない、という方もおり、「今度はどこにつれていってくれるの?」と少女のように期待する60歳代の女性。
楽しみにしているのはメンバーだけではありません。ボランティアの方も「お世話すると言うよりも、私たちも参加して一緒に楽しんでいる」と言います。
スタッフの私たちも年に数回出会えるこの日を大切にして、無事に出会えたことを喜び合い、この1日を楽しく過ごせるようにと、いつも思います。
(麦の郷和歌山支援センター職員 川村ゆり)