ほっとけやん 第15話

わかやま新報2008年8月7日掲載

おいしい野菜づくりで自立を!

くろしお作業所 田中 啓二

くろしお作業所では、平成18年4月から「農業で自立しよう」と紀の川市内の休耕地を借りてエコ班の仲間たち(利用者)と農作業を始めました。 農業に対する高い知識や技術があるわけでも、農機具がそろっているわけでもなく鍬一本からのスタートでした。農業は、野菜作りが中心です。私たちのこだわりは、農薬や化学肥料を一切使わない「安全」・「安心」の野菜を消費者に提供することです。仲間たちと毎日暑さにも寒さにも負けず雑草と闘いながらおいしい野菜づくりに励んでいます。
仲間たちにとって野外での作業はつらいこともありますが、野菜作りを通してお互いに協力し、支え合い、思いやる気持ちが自然と出てくるようになりました。お給料も少しずつではありますが上がってきています。「農業って楽しくてやりがいの持てる仕事」と、口にしてくれる仲間も出てきています。
3年目を迎えたことし、農地が倍に増えて1400坪を耕作しています。農地を拡大するにあたり、和歌山市農業委員会の援助もいただき、作業所に隣接する休耕地を借りることができました。これまで車で20分かけて畑に向かっていたのが作業所の目の前で作業ができるようになしました。休耕地の活用が私たちにとっても地域の皆さんにとってもとても喜ばれています。
野菜の販売に際し、これまで地域の皆さんや各種団体の方々にご協力、ご支援をいただいております。そのおかげで、私たちの作る野菜が県知事認定の「エコファーマー」として認定され、販売も拡大してきています。先日、大阪の大手デパートにも私たちの野菜が納品させていただけるようになりました。
また、外部の加工業者のご協力もあり、無農薬栽培で作った「たまねぎドレッシング」が製造化され、私たちの野菜が加工製品として販売されています。この秋には、サツマイモや大豆も加工して製品化していく予定になっています。
これからも「安全」・「安心」のおいしい野菜づくりにこだわり、「元気なくろしお」から「元気なやさい」を消費者のみなさんに届けたいと仲間たちは頑張っています。