ほっとけやん 第32話
わかやま新報2009年1月7日掲載
痣と共に生きる会」Fu*clover ~響き合える仲間と出会って~
麦の郷 紀の川・岩出生活支援センター 相談支援員
「痣と共に生きる会」Fu*Clover 副代表野中孝夫
「痣と共に生きる会」Fu*cloverは2007年8月10日。顔や身体にアザなどの悩みを抱える人達が、もっと楽しく堂々と生きられる世の中を目指して、当事者やその家族が集う会として紀の川市にある麦の郷紀の川・岩出生活支援センターで誕生しました。
Fu*cloverという名前は代表である氏家志穂さんに付けていただきました。cloverの文字にはloveが隠されており、日本語で『愛』の意味。『愛』の漢字の真ん中に『心』があることから、『真心』で会を進めたいという思いが込められています。そして、志穂さんがが大好きなフクロウと四つ葉のクローバーの語感を重ねて『Fu*clover』と命名し、「痣と共に生きる会」Fu*cloverとして活動を開始しました。
アザなどで悩まれている方は少なからずひきこもっていた経験があるという話をよく聞きます。私も5~6年程の社会から孤立した生活をしたことがありました。その当時はこの病が治らなければ人に会う事も、まして社会に出て働くことさえ無理だと思っていました。しかし、このような状態からいつか抜け出したいという思いもありましたが、その糸口さえ見つけられなくてただ時が過ぎていくような、時代に取り残されていくような辛い日々が続きました。
何とかこの状況を変えたいと思うようになった頃、たまたま見かけた新聞にひきこもり青年の居場所である共同作業所エルシティオというところが和歌山にできたという事を見つけ行ってみたいという思いになりました。それから、エルシティオと同じように不登校・ひきこもり支援を行なっている紀の川・岩出生活支援センターのハートフルに通っていた氏家志穂さんと出会ったことで、はじめて同じ悩みをもつ仲間と出会うことができました。
自分の本当の思いや苦しみを言える仲間が出来ることを心からうれしく思いました。これまで誰にも語れなかった思いを仲間に打ち明けるという事は自分の中にため込んできた様々な感情を吐き出すことができ、とても気持ちが楽になります。仲間が自分の希望となり、自分が仲間の希望となるようなお互い響き合える存在になれるようにこれからも氏家さんと共に活動していきたいと思っています。