ほっとけやん 第33話
わかやま新報2009年2月4日掲載
『青年期を豊かに』
はぐるま共同作業所 北村悦子
はぐるま共同作業所では、2009年11月7日(土)8日(日)に開催された“第20回障害者の青年期教育全国研究集会in沖縄”(以下、青年期集会)に、仲間、スタッフ19名が参加しました。
この青年期集会では、青年期の障害のある仲間たちの高等部教育や専攻科教育の実践や卒業後のライフスタイルを考えるなど、各分科会にわかれて教師や家族、共同作業所職員や仲間などが学びあいます。
専攻科とは、特別支援学校高等部などを卒業した仲間の進学先のひとつです。全国的にみても、専攻科は8ヶ所と少なく、現在、和歌山県内には、専攻科はありません。昨今では、大学でも、知的障害者が入学し、一般の学生と共に学んでいる現状もありますが、受入態勢には厳しいものがあります。
和歌山県内では、数年前から、高等部卒業後も「学びたい!」「もっと、いろいろな体験をしたい!」との声があり、専攻科(2年)への進学率が高くなってきています。また、「和歌山に専攻科を!」と、関係者で運動をすすめています。
福祉の側からみても、障害者自立支援法の福祉サービス事業のなかに自立訓練(生活訓練)事業というのがあります。この事業(2年間)を利用し、ゆっくり、じっくりと自分探しができるようにと、和歌山県田辺市(2008年開所)や和歌山市(2009年開所)等で自立訓練(生活訓練)事業が展開されています。
教育(専攻科)と福祉(自立訓練事業)と立場の違いはあっても、相手を思いやる気持ちを育て、間違っていることには「ノー」と言える、この社会を“生き抜く力”をもつ仲間に育ってほしいとの願いは同じだと思います。
障害があるから、高等部卒業後は、すぐに就職ではなく、ニーズがあれば、大学や専門学校、専攻科へと進路の選択肢が増えるよう更に運動をすすめていく必要があるのではと、今回の青年期集会に参加し、琉球大学の学生たちと一緒に“エイサー”を踊っている仲間をみていて強く感じました。
青年期集会には、障害のある仲間が全国のみんなの前で自分の意見を発表できる大切な場のひとつですので、仲間の思いを綴った文集と共に毎年、参加できればと考えています。(2010年は、京都府宮津市での開催の予定です。)