ほっとけやん 第34話

わかやま新報2010年3月4日掲載

"私たち、今輝いてます"

和歌山高齢者生活協同組合 副理事長 宇治田康司

和歌山高齢者生活協同組合は「人生の完成期を輝いて生きよう」を理念として、高齢者を中心とした「高齢者の」「高齢者による」「高齢者のための」協同組合として、1999年6月全国で12番目の生協として設立、同年11月法人認可を受け今年で10周年を迎えました。その設立には麦の郷も一員として参加しました。
和歌山高齢協の事業展開の大きな柱は、「福祉事業・仕事おこし・なかまづくり」の三つの柱からなります。
福祉事業として介護事業は和歌山県域で11事業所を開設し、高齢者・障害者の地域生活を支援しています。また、高齢者の仕事づくり、なかまづくり部門としていきがい活動事業地域の高齢者、障害者の生活を支える活動、通称、お助け隊は、社会貢献活動【葬送事業・子供と遊ぼう、竹とんぼ教室】、仲間づくり・交流活動【ハイキング、パソコンサークル、市民菜園、旅行倶楽部】などの活動を行って来ました。この十年、元気な高齢者たちが、世代を超えた人たちと連携し、地域のさまざまな個人、団体とのネットワークを大切にしながら活動を進めてその輪も大きく広がりました。
この中で地域の障害者施設との連携から生まれた送迎、配送事業の紹介をさせていただきます。
現在、和歌山市を中心とした障害者の通所施設である「麦の郷」のくろしお作業所・こじか園など7施設の障害者の家庭と施設間の通所送迎、、麦の郷の物づくり部門(食品やクリーニングなど)の配送業務の委託を受け23名の高齢者が活動を行っています。また、障害者グループホームの宿日直等での生活支援やホームキーパーとしても活動しています。
こうした送迎等の委託を受けきっかけは「高齢者が今まで蓄積してき知識や知恵、技能など、高齢者の能力を発揮してもらう事で、障害者福祉を運営する施設側にとっても必ずプラスとなる」との麦の郷の想いや考え方から実現してきたものです。 この送迎事業に携わる担当高齢者は、家庭と施設間の送迎運転のみならず、施設外のレクリェーション活動、各種イベントや障害者施設合同運動会等へのボランティア参加と幅広く活動をしています。
こうした送迎を利用されているご家族からは「気持ちの優しい人」「非常に気配りの出来る人」「安心して子どもを預けられる」「子どもに優しく接してくれる」など、お褒めの言葉や感謝の「ありがとう」の気持ちが施設に寄せられ、夫々に伝えられた担当者は、仲間うちで集まる機会ある毎に「自分も役に立っているんだ」「やり甲斐がある」「家族から、現役時代より生き生きしてるね」「昔は良く医者通いしていたけど、ここ何年も医者通いしなくなったね」と言われる等の会話が飛び出し、「充実感」や「生きがい」を感じさせる仲間の生き生きとした気持ちが肌で感じ取ることが出来ます。
私たち高齢協は、これまでの十年の歩みを基盤として、これからも地域と協同しながら、活力ある新しい地域福祉社会を実現していくために、「福祉、仕事おこし、生きがいづくり、仲間づくり」に挑戦して行きます。