ほっとけやん 第44話

わかやま新報2011年1月6日掲載

ワークショップフラット 設立10周年記念イベントを終えて

ワークショップフラット施設長 山本功

難病患者・中途障害者の働く場・憩いの場として2000年9月に和歌山市加納に開設してから10年を経た10月17日。ワークショップフラット設立10周年記念イベントが和歌山ビッグ愛大ホールにて開催されました。
この日は、和歌山選出の国会議員、行政関係者、日ごろより協力関係にある福祉施設や会社から120名が出席しました。第一部の式典では来賓の方々からのご祝辞をいただきました。そしてフラットの10年のあゆみを報告させていただきました。フラットを利用するメンバーからは今の気持ちを言葉にして発表しました。
第二部では式典の厳粛な雰囲気とは一転、ボランティアで参加いただいた団体より大正琴の演奏やベリーダンスを披露していただき会場は一挙に華やぎました。
そしてメインはフラット仲間のコンサート。ピアノ演奏あり、カラオケあり、最後には自分たちの今の気持ちを歌にした作詞フラットオリジナルバージョンの「明日があるさ」をみんなで合唱。たくさんの笑顔と笑顔が弾けたお祭りのような感じで大盛況のうちに終えることができました。
このイベントを企画し10年を総括する作業の中でいろいろなことを思い出しました。無認可の小さな作業所をみんなで立ち上げたこと。初めはやることがなくて家からもってきた時計を分解したりして時間を潰していたこと。
初めての助成金で送迎者を購入したこと。メンバー、仕事の荷物が増え手狭になり引越しをしたこと。補助金の大幅なカットがあり抗議行動、陳情活動をしたこと。法人認可に向けた資金作りをしたこと。フラット主催の研修会を開催したことなど・・・
いろいろな経験を通して学び成長させていただいた10年でしたが、あっという間の10年でもありました。
10年前にはスタッフも一人からはじまりましたが、今では5人のスタッフが配置され個々のニーズにあった支援が少しは提供できるようになったのかなと思っています。10年前にやりたかったことが、今やっと進めていけるようになってきたのかなと思っています。難病患者・中途障害者は、自分の身体と人生を受容していかなければならないと思いますが、ただ言われてできるものではありません。無くしたものを一緒に探す。もう一度起き上がろうということを一緒に遂げる。そういった活動が求められています。
10年前には県内第一号、唯一の作業所と言われて開所しましたが今も中途障害に特化する施設としては唯一です。
そのためにフラットが担っていかなければならない責任は大きいので、県内のネットワークと多くの人と理解の輪をつくりながらこれからもしっかりと歩んでいきたいと思います。