ほっとけやん 第52話

わかやま新報2011年9月1日掲載

アートで“心”を元気にしよう!

一般社団法人共助のまちづくり協会理事長 島久美子

障害者の「文化芸術活動」を大きく前進させる取り組みが始まります。
障害のある人のすぐれた芸術活動の可能性に挑戦し、つながりをとりもどす市民芸術運動「エイブル・アート・ムーブメント」に共感した近畿ろうきんが2000年にスタートさせたプロジェクトが6年ぶりに和歌山で実現するのです。
「ろうきんグッドマネープロジェクトエイブル・アート近畿2011 ひと・アート・まち和歌山」<10月28日(金)~11月6日(日)>は、企画・監修は、全国レベルでエイブルアートムーブメントの中心的役割を担う「財団法人たんぽぽの家」現地の企画運営は「NPO法人わかやまNPOセンター」そして地域団体の企画運営プロジェクトに、私も参加しています。
企画コンセプトは「アートクロール‐まちと泳ぐ‐」。会場の美園商店街では和歌山の障害者アーティストの作品を元にした巨大フラッグが登場。また地元新南小学校の子どもたちと現代美術のアーティストによるワークショップで制作された作品「げんき海」のもとで、新聞紙アートで創った等身大のイルカやペンギン、海の生き物が「回遊」します。障害のある人たちの魅力ある表現作品を軸に「障害のあるなし」や「大人・子ども」という年齢に関係なく、たくさんの人たちが「アートの海」を思う存分楽しみ、元気になってもらおうとの想いをこめてメンバーそれぞれが全力で準備をすすめています。
アートなんて、何か縁遠い雰囲気を感じてしまう自分でしたが、描いたり、モノを創ったり、声に出してみたり、身体を動かして自分を表現することはものすごく「気持ちがいい」とあらためて実感しています。自分だから選ぶ「色」があり表現があります。世界でひとつだけの作品を誕生させる営みは、自分が自分らしく生活を楽しむ上で大切な選択肢のひとつだと思います。
私が担当するアート∞遊泳プロジェクトでは「エイブルアート作品公募展(作品募集中)」、問題と捉えられている行動をアートを切り口に見つめ直す「作品展示マイナスをプラスへ」を企画中です。またNPO法人芸術文化支援協会の皆さんと共同で「新聞紙アートでつくろう海の生き物」ワークショップを10月1日(土)より毎週開催します。創ることを楽しみながら、新しい自分を発見できるかもしれませんよ。
誰もが自分らしくゆたかに生活できる社会を願うとともに、今回の文化芸術活動の取り組みが、障害者の余暇活動の充実と社会参加の促進において大きな一歩になることを確信しています。