ほっとけやん 第56話

わかやま新報2012年1月5日掲載

チャリティーコンサート

通園施設設立準備会 こじか親子教室 岸田敬世

12月10日に、ビッグ愛でチャリティーコンサートを行いました。知的なハンディがある子どもの通園施設が、和歌山市内には2カ所しかなく、保護者が希望しても定員がいっぱいで入園できないという現状が毎年続いています。市に通園施設を「もう一つ」と願いつつ、数年前から場所を探していました。この度、たくさんの方のご支援・ご協力により、杭ノ瀬保育所が移転した後の建物を購入することができました。
しかし、購入・改修資金などのめどはなかなか立っていません。通園施設の必要性や、入園できない子どもの現状を知っていただく機会にと考え、今回のチャリティーコンサートを企画しました。そこにご協力いただいたのが、トリオ「ワ・コルダ」さんでした。
ワ・コルダさんは、ピアノ、バイオリン、コントラバスの編成で、積極的に幼稚園などへの訪問演奏やサロンコンサートなど、クラシック音楽の楽しさや魅力を伝えようと和歌山を中心に音楽活動をされています。今回のコンサートを依頼したとき、子どもたちは生演奏やコンサートに出掛ける機会も少ないので、演奏中のマナーなどとても気になることをお話ししました。そのことに、首を横にふり笑顔で子どもたちも一緒に参加して楽しめる内容を企画してくださいました。
当日は、子どもたちをはじめご家族、また今までこじかに関わっていただいた方の他、マスコミの協力もあり、たくさんの方が演奏を聴きに来てくださいました。クラシックからクリスマスソング。大きな楽器に、小さな楽器。時を忘れる演奏に、会場は温かな雰囲気でいっぱいになりました。
また、「ワ・コルダ」さんの演奏に先立って、「麦の郷学童サークルびっくぽけっと」が取り組んでいる和太鼓演奏で花を添えてくれました。今まで練習してきた曲の中から子どもたちが選び、この日のために練習をしてきました。ちょっぴり緊張気味でしたが、たくさんのお客様の前での演奏にきっと自信をつけたことでしょう。
コンサートを終え、「お役に立てれば」と寄付金などお届けしてくださる方もいらっしゃいました。とてもうれしく感謝の思いでいっぱいです。これから、子どもの制度が変わろうとする中で、一人ひとりの子どもたちが、豊かに育つことを願ってやみません。みなさまの温かいご支援のもと、通園施設設立に向け、私たちの役割をしっかり担っていきたいと思います。
ご協力くださった皆さま、ありがとうございました。