ほっとけやん 第57話

わかやま新報2012年2月2日掲載

好評だったアート展 「障害者週間」で記念イベント

障害者週間・ひろがれネットワーク実行委員長 山田博章

昨年の「障害者週間」(12月3日~9日)に合わせて、記念イベント「広がれネットワーク」を紀の川市や岩出市で開催しました。障害のある人が地域で豊かな生活ができる社会を実現するため、関係者が集い学習したり語り合ったりする企画で、麦の郷紀の川・岩出生活支援センターなど8団体が実行委員会をつくって、主催したものです。作品展や映画祭、講演会、学習会、討論会など8企画という盛りだくさんの内容で、11回を数えます。
イベントでは障害のある人が中心となった音楽会などいろいろな発表会を開催してきましたが、今回は「輝き」をテーマにした絵画展を企画。事前に紀の川市や岩出市の障害児・者事業所に作品の制作を依頼し、集まった約50点を展示しました。和歌山信愛女子短期大学講師の岡崎ゆみ子先生の講演や手話コンサート、描いた絵がシールになるガラス絵の具で遊ぶ「アートワークショップ」も併せて開催しました。
会場には約200人の方々が訪れ、「まだ見に行けていないので続けてもらえないか」という声に応えて展示期間を延長したほどでした。実行委員の窪原麻希さんは、「この地域にも素敵なアーティストがたくさんいることを知っていただけたのではないかと感じています」と振り返っています。
福祉事業所職員や家族、関係者の学習会企画は、「障害者基本法改正と障害者総合福祉法の行方」。内閣府にある「障がい者制度改革推進会議担当室」政策企画調査官の赤松英知さんに来ていただきお話をうかがいました。政府は障害者自立支援法の廃止を公約しています。
学習会では、自立支援法廃止後の法律といわれている障害者総合福祉法について、昨年8月に制度改革推進会議の総合福祉部会から通称「骨格提言」が出されていること、その中では「障害のない市民との平等と公平」や「本人のニーズにあった支援サービス」などがうたわれていることを学びました。しかし、自立支援法の「改正」で済ませようとする流れもあり、注意が必要であることも合わせて学びました。
11回も続いてきていることは、「障害のある人が地域で豊かに生活ができる社会の実現」というイベントのメーンテーマが当事者はもちろんのこと、市民や関係者の思いを強く結びつけてきた証しだと、ことしも感じました。