ほっとけやん 第63話

わかやま新報2012年8月2日掲載

サークル活動は「継続は力なり」です みんなのすてきな笑顔に出会いたいから

むぎの郷 みんなでおどり隊 北村 悦子

「むぎの郷みんなでおどり隊」は、平成17年6月に障害者のグループホーム・ケアホームの利用者の余暇支援、文化活動支援の目的のため結成された、社会福祉法人一麦会(麦の郷)のサークル活動の一つです。
和歌山市では、16年から「紀州よさこい祭り」が毎年、市民の力により開催されています。私たちは、「第1回紀州よさこい祭り」にボランティアで参加し、市内の支援学校の高等部の生徒が踊っているのを見て、生徒たちや先生たちのすてきな笑顔に感動しました。ボランティアで参加したスタッフは、「私たちも踊りたいなあ!!」と。
ある時、麦の郷のグループホーム・ケアホーム(障害のある人たちの共同の生活の場)の一般就労をしていた一人の仲間が職場で失敗したことにより、また失敗しないかと不安になり仕事に行けなくなりました。
その仲間に元気になってもらいたい、元気にしたい。それにはどうしたらよいのか、スタッフで考えました。いろいろ考えた結果、高等部生のすてきな笑顔を思い出し、「紀州よさこい祭り」に参加することにしました。
さっそく、「第2回紀州よさこい祭り」の参加申し込みをしました。踊り子を法人内で募集し、支援学校の先生に踊りを教えていただきました。総勢42人のうち、知的障害のある人が中心でしたが、障害のある方が18人。スタッフ、その家族が24人でした。
初めての舞台では、1カ月半の練習だったので踊り子たち(特にスタッフ)は、ドキドキでしたが、エネルギッシュな祭りが力をくれたのか、仲間の元気な力がスタッフに伝わったのか、本番に強い踊り子たちでした。
こうして、お祭りも終わり、参加していた仲間から「次の練習は?」「どこで練習するの?」との声が。この声に動かされ、「じゃあ、サークルにしようか?」と余暇支援、文化活動を目的に活動を始めました。
初めは、障害のある仲間は20人ぐらいでした。月2回(第1第3金曜日、午後6時半~8時)和歌山市のふれ愛センターで練習していましたが、お母さんたちや仲間の口コミで、気がつけば56人(ことし7月現在)に増えていました。また、「よさこい祭り」以外でも、おかげさまで、いろいろなイベントで踊りを発表できる機会も多くなっています。
また、人数が多くなったため、広かったふれ愛センターホールが狭くなり、広い練習場所を探すことにしました。
ことし7月、毎年、“麦の郷と西和佐地域との花見交流会”「さくら祭り」の雨天時の場所に借りていた西和佐小学校の体育館を借りることができ、ことしの「第9回紀州よさこい祭り」に向けて広い場所での練習で仲間たちは張り切って練習しています。8月5日午後6時59分、けやき大通りでオリジナル地方車で出演します。
このサークル活動を始めて7年、いろいろな課題が見えてきています。練習場所の問題、仲間の移動支援の問題(夜の練習なので、ヘルパー利用が難しいなど)、サークル運営やよさこい祭り参加費用の問題などたくさんあります。特に障害のある人たちの文化活動を進めていく中、生涯学習センターなどもっとたくさんでき、自分がやりたいことが選択できるようになればと思います。
これからも、踊り続けたい!!仕事にあくせくせず!!みんなの願いです。