ほっとけやん 第64話
わかやま新報2012年9月6日掲載
ふるさとをみんなで紡ごう!
「ふるさとをください」公演 実行委員会・副実行委員長 池田香弥
大路恵美さんがヒロイン、べンガルさんが父親、藤田弓子さんが施設長でした映画「ふるさとをください」は、全国の障害者共同作業所でつくる「きょうされん」の30周年記念映画として、和歌山市の「麦の郷」をモデルに制作されました。
脚本は大河ドラマでおなじみのジェームス三木さん、撮影は全て和歌山ロケでした。全国900カ所余りで上映され40万人が鑑賞、和歌山県のライオンズクラブの援助で字幕の中国語版もつくられ、8カ国で上映されました。
精神障害者が地域で生きるまでの泣き笑いを描いたこの映画に重苦しさはありませんでした。反対運動の住民集会で交わされる言葉にドキドキしながら、変わっていく父親が格好良く思えました。
その映画の感動を今度は生の舞台で届けようと、12月に紀の川市、田辺市、和歌山市の3カ所で公演が行われます。演じる「シアター青芸」は優秀賞をいくつも受けた劇団ですが知られてはいません。そこで、公演を成功させようと6月、「ふるさとをください」公演実行委員会がつくられました。実行委員長は前和歌山県教育長の山口裕市さん、副実行委員長は、民間人校長だった私に、「紀州粉河まちづくり塾NPO」会長の楠富晴さん、紀南の福祉をリードする「やおき福祉会」の那須久仁夫さんの3人です。県内3地域で取り組みが始まりました。
和歌山市では「せっかくだから、この機会にふるさとを紡いでいこう!」と話し合いました。県内には各分野で和歌山を元気にしようと活動している人たちがたくさんいます。
でも、交流の機会は少ない。実行委員会はそんなふるさとを創っている人たち(紡ぎ人)が出会い、交流し合う場にしたい。舞台を観ていただく活動を通してふるさと創りの輪を広げていこう。「ふるさと紡ぎ人トーク」はこうして始まりました。
7月は「西脇地区共育コミュニティー」「きのくに子どもNPO」など5団体の代表者が「子どもが豊かに育つふるさと」をテーマに語り合いました。8月は「りら創造芸術高等専修学校」の生徒がタップダンスや歌を披露し、地域住民と復活させた「御田の舞」について語りました。また、「粉河高校」軽音楽部の生徒たちは演奏を届け、音楽を通して粉河のまちづくりに参加していることを伝えました。若者たちのふるさとへの思いがあふれました。
間もなく、小中学生に「ふるさと大好きメッセージ」を募集して市民会館に展示する企画もスタートします。ぜひ、舞台とあわせて子どもたちのメッセージもご覧ください。