ほっとけやん 第73話

わかやま新報2013年6月6日掲載

「麦の郷発 麦マルシェ発進!」

社会福祉法人一麦会 麦の郷 はぐるま共同作業所和の杜出張所 麦市 冨田 敦子

社会福祉法人一麦会麦の郷には、産直市場『麦市』というお店があります。そこには地域の生産者が毎朝届けてくれる新鮮な野菜、その横には麦の郷の安心、安全なパンやコロッケ、ジュースといった製品が並んでいます。この『麦市』の商品について、地域のお客様だけでなく、よりたくさんのお客様に「おいしいものを届けたい!」「こだわりの商品を手に取って見てもらいたい」とスタッフみんなの思いが集まり『麦マルシェ』が誕生しました。
第1回麦マルシェでは、和歌山市内、また紀の川市で採れた愛情いっぱいの元気野菜が木箱にいっぱい詰まって並びました。その野菜一つひとつの大きさ、色つやの良さは目を見張るものばかり。こんなに大きくて立派なのに「ええ?…この値段!安い!」とびっくり。こんなに生き生きと力強い野菜や果物にはなかなかお目にはかかれません。農産物以外にも、作業所で一つひとつ心をこめて作っている大豆を丸ごと使ったお豆腐や大粒で豆の味が活きている納豆などの加工品、季節の果物を使ったジャムやゼリー、クッキー、シフォンケーキといったスイーツまで自慢の商品が勢揃いしています。
麦マルシェでは、生産者が自分の商品を直接販売しています。お客様との会話を通して商品の良さや作り手の思いを伝えていく。また、消費者は説明を聞いて満足のいく買い物ができる。そして商品の食べ方等の知識も得られたりと『お得』と『魅力』がいっぱいです。
麦の郷は、地域に根差したマルシェを作り、更にそれを交流の場にもしていきたいと考えています。今回、販売ブースに加え、引きこもりの人たちを支援している「創~はじめ~」がカフェをオープン。お買い物をした後は、香りの良い淹れたてのコーヒーでちょっと一休み。そのマルシェ横では、たった一日だけのイタリア料理店が開店。シェフが腕を振るうここでしか味わえない限定生パスタやイカスミ等の料理にお客様が舌鼓。思わず「こんなの食べたことなーい!」という感激の声も聞かれるほど好評でした。
このマルシェ作りに携わったことで、私自身が「農業」と「食」の繋がりについて考えるようになりました。農業が衰退していく傾向にある日本において、今一度関心を持ち、提供する側、また消費する側が共にこれからの農業、安全な食糧の確保について深く考え、見直していく時期に来ていると感じます。私たちのマルシェが「和歌山の農業を元気にしよう!」とみんなで考え支え合っていく場になればと願っています。
マルシェに参加する人たちみんなが「やって良かった」「来て良かった」と楽しさや喜びを感じられるように、スタッフ一丸となってこれからも魅力ある麦マルシェを作っていきます。次回は6月9日第2日曜日に開催します。ぜひ、みなさん遊びに来て下さい。