ほっとけやん 第75話

わかやま新報2013年8月1日掲載

すてきなあなたに出会いたい!!!

社会福祉法人一麦会 むぎピース 鈴木 悦子

私たち社会福祉法人一麦会(麦の郷)では、障害のある人や働くことに困難を抱える人と共に歩んできて、かれこれ40年ほどになります。障害者福祉の現場ではいま、高工賃や一般就労をめざす取り組みが主流となっています。麦の郷でもこの流れの中で「はたらく」を充実させよう!と一生懸命に取り組んでいます。
ところで、学校を卒業したら就職――社会一般では、それが普通、あたりまえ。その路線からはずれたり、立ち止まったりすると、あっという間に地域や人との接点が失われてしまう現実があります。しかし、いくつからでも、いつからでも、やりがいある仕事や役割に出合うチャンスを大切にしたい――こんな想いで取り組んでいるのが「むぎピース・かなで」(自立(生活)訓練事業)です。
ただいま、25歳~60歳の11人のメンバーが、それぞれの人生をぶつけ合っています。知的障害、精神障害、中途障害などのある人たちですが、長期間、どこにも、誰ともつながらず、なかなか自分を生かす機会に恵まれてこなかった人が多いのです。年齢も、性別も、障害も、経歴もさまざまな人が、偶然に出会い、「いま」を共有して、めいっぱい一緒にさまざまな体験・活動をしています。昼ごはんづくり、見るショッピング、公共施設(図書館、美術館、etc)の利用、職場見学、ミーティング…などなど。
毎月2回ヨーガにも取り組んでいます。講師の芝田さんは、本業は保険屋さん。メンバーの体力に合わせた無理のないメニューを考えてくれています。じっくりと呼吸の使い方、リラックスを目的にしてからだとこころを癒しています。最近では、同法人の「くろしお作業所分場」のメンバーも加わり、20名を超える大人数でヨーガってます。(写真は、思いっきり身体をねじりながら伸ばしている瞬間とポーズの合間にゆったりと休憩している時の様子です)。終了後はじわぁっと汗ばんできて、心地いい爽快感が。しかし、翌日には筋肉痛がやってきます。そんな痛みも楽しみながら?取り組んでいます。
「アートサポートセンターRAKU」(美園商店街内)には毎週通って、先日は“夏”を描いた風鈴を作りました。30年を越す在宅生活だった人は、もうすぐ「むぎピース・ひらく」(就労継続支援事業)のアート工房で働くことになりました(ちなみに、自立(生活)訓練事業は2年以内の利用期間とせれています)。「むぎピース・ひらく」は食事サービスや食堂の経営をしていますが、今年4月から新しくアート工房を創りました。8月24日(土)~30日(金)の1週間、「アートサポートセンターRAKU」にて初の作品展を開催します。ぜひたくさんの方に観ていただけたらと準備しています。
「むぎピース」ではこれからも、メンバーが自分のこころとからだを開放させ、一歩ずつ、楽しみながら生活の幅を広げ、ステップアップしてもらえるように支援内容を充実させていきたいと思います。多彩な活動を実現すべく、活動を支えてくださるボランティアさんを募集しています。興味のある方はぜひお問い合わせください。お待ちしています。


〒640-8123
和歌山市三沢町3の40
社会福祉法人一麦会「むぎピース」(℡073・427・8149)