ほっとけやん 第83話
わかやま新報2014年4月3日掲載
~障害者アート企画~個性あふれるユニークな手づくり‶ちんどんだいこ″
麦の郷 ハートフルハウス創 森橋 美穂
3月1日、2日の2日間にわたり、麦の郷紀の川・岩出支援センターにて、障害のある人を対象に、『いらなくなったモノで‶ちんどんだいこ″をつくろう!』というワークショップを行いました。
このワークショップは、看板やチラシのデザイン、廃材や古着などいらなくなったものに命を吹き込み、ほっと和む素敵な作品を生み出している、アート作家の奥野亮平さんと麻美さんご夫妻との共同で企画しました。奥野さんとの出会いは、麦の郷ハートフルハウス創が運営する粉河の創-hajime café-をオープンする際、内装の一部を手がけてくれたことがきっかけでした。その後交流が深まり、このたび障害のある人のアート活動についてお互いの想いが重なり合いました。
1日目は、土台に色とりどりの絵の具で絵を描いたり、自分の好きな音を見つけるという作業でした。空き缶や不要になったフライパンや鍋ぶたなどがたくさん並び、それらの素材を手に取り、音を鳴らすと…意外にもチンと軽やかな音や、キ~ンと高い音が鳴ったりして、みんな思わずニッコリ。自然と‶チンチンドンドン″とリズムよくたたいて鳴らし、それだけで体がウキウキして楽しくなりました。
2日目は自分で選んだ素材を、土台に取り付ける作業。中には自分の家から、自転車のベルを持ってきてくれた人、小さい頃に使っていた落書きだらけのタンバリンをカラフルにペイントし、ちんどん太鼓の主役として取り付けた人もいました。それぞれが思いおもいの形や色そして楽しい音の出る個性豊かな楽器に仕上げました。
そして最後には、スペシャルゲストにシンガーのエラソウルサさんと沖縄三線奏者のれいこさんも参加してくれ、「明日があるさ」などの曲を歌いながら‶ちんどんだいこ″の大合奏で盛り上がりました。今後、完成した‶ちんどんだいこ″を鳴らして地域のイベントなどにも参加する予定です。
麦の郷では紀の川筋にアートをメインとした共同作業所の開設に向けて動き始めています。自然豊かな紀の川市の地域性を生かし「アート」と「農」と「食」の拠点となるコミュニティーの場を構想中。
絵画やものづくりの得意な人たちの素晴らしい作品を単に飾っておくだけではなく、より価値のあるものに商品企画するなど、創作活動が一つの仕事として認められる共同作業所を創りたいと考えています。心豊かな感性を芸術や音楽などを通して表現し、社会や地域とつながりを持ち、みんなが元気になるような活動を展開していけたらと思います。