ほっとけやん 第85話

わかやま新報2014年6月5日掲載

タスキとゼリーでつなぐ希望の絆

はぐるま共同作業所 和の杜 大中 一

麦の郷訪問看護ステーションの島さんの紹介でリレー・フォー・ライフ・ジャパン2014和歌山実行委員会の杉谷さんと出原さんが、はぐるま共同作業所和の杜にみえたのは昨年8月の末でした。
そもそもリレー・フォー・ライフって?という部分から実行委員会の杉谷さんは私たちにわかりやすく説明してくれました。リレー・フォー・ライフは「がん患者さん(サバイバー)と家族・遺族・支援者(ケアギバー)をたたえて地域社会全体でがんを征圧しよう!」という世界的な活動で既に日本でも全国で広がりをみせているとのことでした。
来年の5月ごろに(当時)和歌山で初のイベント開催を予定していて「活動のPRに寄付金つきの商品を作りたい」ということで今回注目いただいたのがはぐるま和の杜のフルーツゼリーでした。
杉谷さんのお話では、がん患者さんの多くに味覚障害を患われる方が多く、特に「甘味」の部分に関しては認識しづらいなか「果物の果汁」は甘みを比較的認識しやすいそうで、「それでは原材料にほぼ果汁しか使っていないはぐるま和の杜のフルーツゼリーがもってこいじゃないか」ということでおみえになったその日に和の杜フルーツゼリーのPR商品化が決まりました。
デザイナーさんによってお洒落に装われた5種類(みかん、もも、うめ、レモン、ブルーベリー)の和の杜フルーツゼリーはその後、県下のイベントなどでPR販売を重ね「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2014わかやま」当日を迎えることになりました。
5月24日(土)、25日(日)、和歌山城砂の丸広場ではがん患者さんや経験者、その家族や友人、支援者の方々が交代でたすきをつなぐ24時間のリレーウォークが行われ、ステージではがん経験者の方たちのバンド演奏が盛大に行われていました。私たちがお邪魔したのは午後8時を過ぎた頃でしたが、メッセージの書かれた無数のルミナリエがともり、砂の丸広場は幻想的な空間に変身していました。そのルミナリエで作られたトラックの中で大きなフラッグを掲げた24時間リレーウォークは静かにですが力強く続けられていました。
イベントの一角でPRゼリーを見かけて「あの~このゼリー作ってる者ですが…」と声を掛けさせていただいたのがゼリー担当スタッフの坂口さんでした。明るく対応いただきこのイベントを支える若い力のまっすぐで力強いパワーをひしひしと感じ、とてもすがすがしい気持ちになりました。
和歌山では産声を上げたばかりのリレー・フォー・ライフ、このつながりを通じて「がん」というものの理解をもっともっと深め、和の杜もケアギバーの一員として今後もあり続けたいと思います。