ほっとけやん 第106話

わかやま新報2016年3月3日掲載

「知は力なり!」互いに学び合い実践を高め合おう

麦の郷教育研修委員会 鈴木 栄作

次世代を担う人材育成が私たちの法人でも大きな課題となってきています。麦の郷が誕生して来年で40年を迎えます。「僕も働きたい!友達がほしい!」という障害のある青年の声に共感し作業所づくりが始まりました。当時、家族や関係者と共に作業所づくりの運動や事業所の開設に奮闘した、いわば第1世代の方々から第2世代、第3世代へと引き継がれ法人の事業は大きく発展してきました。
障害のある方のニーズと地域の皆さんとの連携を軸に据えながら事業が増え、利用者、職員も比例するように増えましたが、麦の郷をさらに充実発展させていくには新たな創意工夫が必要となってきています。麦の郷の理念の一つは、「日々学び、育み、発信し続ける人材を育成し、地域福祉の発展を目指す」。二つは、「ものづくりを通して障害のある人と地域の共存を実現し、互いに豊かになる実践を目指す」。三つは、「社会的不利の状態に置かれている人々の課題解決をするために、広範な人々とつながりを深め、共に社会変革を目指す」。四つは、「全ての人が平和で安心して暮らせる社会づくりのために人の輪を紡いでいく」。です。この四つの理念は掲げるだけではなく常に実践の中で点検や確認が必要となります。
麦の郷では教育研修委員会で職員研修会を企画し実施しています。新人職員研修では、麦の郷の歴史や理念、制度について学び、管理職研修では、〝気づき〟やメンタルヘルスなどについて学んでいます。また、年2回の全職員対象の研修では、憲法、人権、虐待、実践交流など事業や職種を超えて学び合います。先日も他法人より実践豊富な職員を講師として「福祉労働」を考える研修を行い、講演とグループワークの中で自分たちの実践をあらためて振り返りました。
こうした研修を繰り返しながら前述した理念を実践の中で問い返し、新たな気づきや新たな事業の展開、人材の育成に大きくつなげていきたいと考えています。