ほっとけやん 第127話
わかやま新報2017年12月7日掲載
私たちが橋渡しです 障害者雇用をもっと前へ!!
障害者就業・生活支援センターつれもて 鈴木 栄作
「おれ、1年頑張れたよ!あと3年、いや10年頑張れるかな?結婚もしたいしな!」とあるショップで働く青年は語ります。彼は、つれもて(障害者就業・生活支援センター)が支援するメンバーの一人です。つれもては、障害のある方が行政機関も含め一般企業で働くこと(障害者雇用)を支援するセンターで、就職活動から職場定着など就業する事業所や他機関とも連携しながら障害のある方が働くことを通しての自立した生活をサポートしています。
彼は、支援学校を卒業してから10年働いた企業を退職し、新たな自分探しのために私たちの支援を受けながら1年前に転職しました。知的に障害があるため、分かりやすい説明が必要であったり、他者とのコミュニケーションが苦手だったりしますが、ショップの店長さんをはじめ従業員さんに配慮してもらいながらショップの裏方の仕事をしています。その配慮をしてもらうための橋渡しの役割が私たちセンターの支援です。
彼が就職したショップは初めて障害者雇用に取り組んでくれた事業所でした。事業所からつれもてに障害者雇用受け入れの相談があったので障害特性の理解をしてもらうことを目的にインターンシップ制度(県)の活用と障害者職業センター(障害者雇用専門機関)との連携をしながら取り組みを進めました。2カ月のインターンシップを行い、本人の仕事ぶりの評価と事業所側の理解が進み就職につながりました。
つれもては、就職してからが本格的な支援の始まりです。定着支援と言い、メンバーが長いこと働き続けられる支援であり、働く上での事業所と本人へのアシストや本人の生活面での悩みの解決などをしています。彼は、就職してから仕事上や生活の悩みを多く抱え、その都度職場訪問して問題解決や障害者職業センターのジョブコーチ(支援者)の派遣協力を得ながら本人の気持ちに寄り添う支援をしてきました。その中で彼も私たちも成長ができ、彼の前向きな発言にも大きな喜びを感じることができました。
来年度から法定障害者雇用率が現行2.0%から2.2%に引き上がります。障害のある方が一般企業で働く機会が増えます。受け手の事業所側も前向きな雇用促進に大きく期待したいです。ぜひ、つれもてにご相談いただければ幸いです。