ほっとけやん 第130話

わかやま新報2018年3月1日掲載

和歌山県作業所問題研究交流集会

和歌山県共同作業所連絡会教育研修委員会委員長 溝西 安生

約40年前に、和歌山県内の障がいがある方々が働く共同作業所数カ所が集って、和歌山県共同作業所連絡会(通称わされん、以下わされん)が結成されました。「和歌山県作業所問題研究交流集会」は、このわされんが主催し、年1回冬季に開催されています。

16回目を迎えることしは、2月10日、和歌山県情報交流センタービッグ・ユー(田辺市)で、200人以上の作業所など福祉事業所や関係機関の職員、作業所などで働く障がい者の方々(以下利用者)が集い、開催されました。

交流集会の午前中は、全体会として、講師を招いての講演や映画上映などを行っています。講演は、障がい福祉の時流に沿ったテーマを設定し、講師として大学教授や弁護士をお招きすることもあります。午後は、事業所の種別(就労支援、相談支援、生活支援など)や利用者支援、事業所運営、人材確保などのテーマ別に沿った分科会により、相互学習をしっかりと行っています。分科会の一つである「仲間の分科会」(利用者が参加する分科会)では、参加利用者が作業所や事業所の枠を超えて交流を深めています。交流集会の参加の呼び掛けは、わされんの会員事業所に限らず、非会員の事業所や支援学校、医療機関、行政など幅広く行い、共に学ぶ姿勢を慣行しています。

「作業所問題研究交流集会」は、しっかりとした学習の場であるとともに、ここ数年、障がい福祉の関係制度・法律が刻々と改定され、ともすれば事業所運営や利用者支援のしづらさを感じることもある中で、多くの作業所、障がい関係事業所が利用者の皆さんと共に、交流を深め、連携を強める場でもあります。

今年の第16回作業所問題研究交流集会は、「明日への助走 〜初心に戻って見つめなおそう〜」がテーマでした。制度、法律の度重なる改定により、障がい福祉の現場は、課題などが山積している状況ですが、それを目の当たりにしてため息をつくのではなく、利用者の皆さんが地域で明るく元気で暮らすという願いをかなえていく、そんな明日への助走となるようにとの思いが、このテーマに込められていました。地域の多くの皆さん方のご理解、ご協力を得ながら、このテーマに沿って、福祉のある地域づくりに貢献すべく歩んでいければと思います。