ほっとけやん 第154話
わかやま新報2020年2月20日掲載
なかまの笑顔溢れるくろしお作業所新年会
社会福祉法人一麦会 くろしお作業所 川﨑 愛香
1月16日にルミエール華月殿で毎年恒例の社会福祉法人一麦会くろしお作業所「なかまの新年会」が開かれました。
なかまの新年会は、仲間・職員・ボランティアの方総勢60〜70名が参加するくろしお作業所の大切な行事の一つです。この会が恒例の行事として行われるようになったきっかけは、作業所の職員会議の中で「仲間に本物の新年会を味わってもらおう!」という意見が出たことが始まりでした。そして、その時に在籍していた職員のつながりからルミエール華月殿さんにお世話になることに決まり、今もそのつながりが途切れることなく続いています。普段の仕事とはかけ離れた非日常の場所でいつもよりおしゃれな服を着て、おいしい料理を食べて…。この新年会を毎年行うことで仲間の楽しみ・励みになってほしいというのが職員の思いでした。毎年年末が近づいてくると、なかまたちの間で「新年会はいつになるのかな?ことしはどんな料理かな」などと楽しそうに話している会話が作業所の中で飛び交います。
なかまの新年会では、成人や還暦を迎える仲間のお祝い、その年の年男・年女の紹介、作業所の職員たちの演劇や歌の披露がされます。とくに職員の出し物は、みんな毎年楽しみにしてくれており、「ことしの出し物も面白かったね」と、次の日からの会話の話題にも上がるぐらいです。
ことしは、還暦を迎えた歳子さんのお祝いをしました。歳子さんは、1977年の無認可のたつのこ共同作業所(のちの、くろしお作業所)から40年以上頑張ってきた方です。聴覚障害がありながらも、人一倍明るい性格で周囲を和ませてくれ気遣ってくれる歳子さん。これまでの人生の中で楽しかったこと、うれしかったこと以上につらかったこと、しんどかったことがあったと思います。でも皆から祝福され、笑顔を見せる歳子さんの姿を見て、職員も感慨深いものがあったのではないでしょうか。
この新年会は20年以上続いています。毎年年末が近づくと、華月殿の担当者の方から「またこの時期ですね」と連絡をいただきます。食事のこと、おトイレのこと、細部にわたってお気遣いしていただき、数年前には身障者トイレもご用意していただきました。
新年会が始まると、スタッフの方も一緒になって場を盛り上げてくださります。すてきなスタッフの方々に囲まれ、なかまたちにも終始笑顔があふれます。なかまたちにたくさんの楽しい思い出が増えていくことが私たち職員にとってはとてもうれしいことです。これからも思い出がもっともっと増えていくように、このすてきな出会いをなかま、職員ともに大切にしていきたいと思います。