ほっとけやん 第156話

わかやま新報2020年4月16日掲載

「可能性は無限大!」

第二こじか園 中本 こころ

 2020年(令和2年)3月27日に第二こじか園で卒園式が執り行われました。年度初め、卒園児のグループは5人でスタートし、5月に1人増え6人で活動してきました。4月は各グループの名前を決めることから始まります。その年の年長児は「ろけっとグループ」と名付けられました。ろけっとグループの名前は〝みんなの憧れの存在を目指し飛び立つ。可能性は無限大!〟という願いが込められています。

 春の子どもたちの様子は、「あ、あの子走ってる楽しそう!さぁ僕はこっちに向かって走るよ!」そんなことがよくあるグループでした。1年間を通じて遊びの渦づくりを目指しました。子どもたちの中の「この遊びが好き!」を探し出し、繰り返し遊び込みました。その中で「見ての参加」だった子どもからやってみたい気持ちが生まれ、「一緒にやりたい!僕もやる!」が本当に増えました。チャレンジして自信をつけてきたと思います。

 卒園式当日には卒園を意識し、お別れを感じて緊張してソワソワ落ち着かない子どもたち。いつもと様子が違うのを感じ、自分のクラスの部屋なのに入らない子もいました。式が始まり証書授与で名前を呼ばれると、どの子どももいつもより少し凛とした表情で卒業証書をもらいに行き、証書をじっと見て受け取りました。その様子を4歳児の子どもたちは憧れのまなざしで見ていたように感じます。

 続いてこの1年間を振り返るスライドショーを見ました。全園児が思い出に浸るようにじっと見入る姿がみられました。毎年このスライドショーの後には、各グループが過ごした日々を振り返り、みんなでメッセージを保護者に伝えます。

 さあ次はいよいよ、ろけっとグループの出番だという時にハプニングが起きました。自分の出番が分かり、緊張して一人の子どもがトイレへ走って行ってしまったのです。他の5名はすでに前に立ってスタンバイ。そこでいつものように『じゃあみんなで名前を呼んでみよう!せーの、○○くーん。』…『こないねー。もう一回』と少し待つことになりました。4月には待つことが苦手で6人そろうのもなかなか難しい子どもたちでしたが、この時は友達の名前を一生懸命呼んだり、友達が来るのを迎えに行ったり。トイレに行っていた子も名前を呼ばれうれしそうに帰ってきて、6人で前に立ち無事メッセージを伝えることができました。

 ろけっとグループ6人が仲間意識を持ち、普段の保育のようにほっこりとした雰囲気で最後の日も過ごすことができ、とてもうれしくなりました。

 第二こじか園で過ごした日々が成長のねっこになり、これから先の未来が楽しく充実したものになるように願っています。