ほっとけやん 第171話

わかやま新報2021年7月8日掲載

第44回障害者・市民の夏まつりの中止について

社会福祉法人いこい つむぎ共同作業所 自立訓練you-me〜ゆめ〜 福田有希

 障害者・市民の夏まつりは、「たつのこ夏祭り」から数えてことしで44回目となります。「障害者が主人公になった夏まつりを作ろう」この一言から始まりました。和歌山城西の丸広場で、それぞれの団体の夜店が設けられ、音楽あり、ダンスあり、笑いありの一夜を市民の方々と過ごし交流することで、回を重ねる度に大きく広がっていき、和歌山市の夏の風物詩の一つとして数えていただけるものとなってきました。

 そうした中、昨年の第43回はコロナウイルス感染拡大のために中止となりました。

 またことしも「第44回障害者・市民の夏まつり」の開催について、昨年7月より事務局会議を定期的にZoomで行い、実行委員会の皆さまにもアンケートを取らせていただき、何が不安な部分なのか整理すれば開催可能な形も見えてくるのではないかと、県から出されているイベント開催時に必要な感染防止策などと照らし合わせながら、話し合ってきました。その中で、対策を徹底することは難しいが賛同を得られるのであれば小規模になっても行えることができる形をつくることが大切なのではないか、開催時に来場者全ての連絡先を把握することはできるのか、事業所の利用者さんの中にはマスク着用が難しい方もいる、安全確保ができないのに実施するのはいけない、予測できない中で無理に実施せずに開催を見送る方が良いのではないかなど意見を出し合い、検討を重ねました。

 6月現在の和歌山県内のコロナウイルス感染状況は、他県と比較しても減少傾向にあり、ワクチン接種普及率も高い水準にあります。しかしコロナウイルスは変異を行いながら感染力を強めていることやワクチンも障害のある方へは行き届いていないことなど不安があります。また今現在の県内のコロナウイルスの減少傾向を維持することが、みんなの願いであることは間違いありません。そして医療および保健行政機関に多大な負担が継続されていることなど総合的に踏まえ、本祭りを安心、安全に開催することの困難さ、またさらなる感染拡大を助長する可能性を想定して、ことしの第44回も中止とさせていただくことを決定するに至りました。

 この祭りの素晴らしいところは、障害の有無にかかわらず、誰もが気軽に参加できることです。今までも多くの方々に共感していただき、多くの方々に助けていただき、年月を重ねて続けることができました。来年の第45回の開催にあたりましては、実行委員会、事務局一同、皆さまに気軽に参加していただき、安心、安全に、そして楽しんでいただけるように尽力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。