ほっとけやん 第181話

わかやま新報2022年4月28日掲載

「その人らしい笑顔満開!夢ひろがる春」

社会福祉法人一麦会 むぎピース 鈴木 悦子

 むぎピースは、障害のある人の働く場として2011年にスタートしました。その人らしく働くことを目指して活動しています。手作りの食事を地域の方にお届けしたり、焼き菓子を作って注文販売をしたり、老人ホームや病院の外回り掃除、下請け作業もしています。また、その人らしさを発信していく取り組みとして、アート作品づくり(絵を描く・雑貨づくりなど)を、余暇の時間ではなく就労に位置付けています。現在26名の利用登録があり、毎日20名を超える方々が通所しています。

 建物の老朽化が進み…この春、むぎピースのさらなるステップアップとして、活動内容の充実を目指し、多くの方に支援を頂き移転することができました。新天地は、ある程度の年齢層の方にはおなじみの肉屋「オソメ本店」の跡です。引っ越しして活動していると、通り掛かった方が「また、お店してんの?」、またある時はドアを開けて「昔、ここのお肉買ったんやで。今は何してるんよ?」と気軽に声を掛けてくださいます。そんな時、むぎピースの紹介をさせていただけるのが私の楽しみになりつつあります。

 同じ建物の2階には、同法人の「麦の郷 和歌山生活支援センター」があります。地域の障害のある人の相談事業や、自宅からの外出先として居場所の提供もしています。また、夕食サービスがあったり(予約制ですが)…、みんなで散歩に出たり…、じっくりと話を聞いてくれたり…、時には入浴の支援も…と多岐にわたる生活面でのサポートもしています。

 もう一つ、和歌山高齢者生活協同組合の居場所「お茶の間★あい愛」も展開します(6月スタート予定)。元気な高齢者のパワーあふれる居場所になりそうです。

 さらに、3階は地域の方々に利用いただける交流スペースです。サークル活動や講習会、体操教室や各種つどいなどに使用できます。障害のあるなしにかかわらず、多くの地域の方々が利用しやすくするためにエレベーターも完備しました(交流スペース使用にあたっては申し合わせ事項があります)。このスペースにはもう一つ目的があります。それは、小さいながらも災害時の福祉避難所になることです。福祉避難所だからといって障害のある人だけでなく、地域の方々にも「いざ!」というときには来ていただける準備・備えを始めています。

 むぎピースでは、誰もがほっとできる「お茶のひととき」が楽しめるよう、焼き菓子とコーヒーのカフェもオープン準備中です。むぎピースの利用者だけでなく、地域の障害のある人もない人も、高齢者も子どもたちも集まれる場所を目指して…。夢が大きく広がる2022年の春です。

 むぎピース 〒640-8123 和歌山市三沢町2丁目23-3
 TEL(073)427-8149FAX(073)427-8158
 E-mail mugi-w@wasaren.org