ほっとけやん 第189話

わかやま新報2023年12月22日掲載

国から子どもをつくってはいけないと言われた人たち     〜優生保護法問題の全面解決をめざす                     10.25全国集会in日比谷公園音楽堂〜

社会福祉法人一麦会 圓山 歩実

 優生保護法は、1948年から1996年までの48年間存在し、障害のある人たちを中心に強制不妊手術や中絶手術を強要された被害者は、厚生労働省の公表で約8万4千人いるといわれています。26年前まで、国が合法として認めていたという事実を知らない人は、まだまだ多くいると思います。

 現在、この優生保護法問題についての裁判が全国各地で行われていますが、優生保護法問題という言葉や内容を当事者やその家族、支援者でさえも知らない方が多いのではないでしょうか。今回の全国集会やデモ行進は、より多くの方にこの問題の事実や現状を知ってもらうために開かれたものです。

 現地の日比谷公園音楽堂に約1300人、中継をつないだユー・チューブの視聴者は約1200人。計約2500人もの方たちがこの集会に参加していました。私も現地に行き、初めて集会やデモに参加しました。原告や弁護士の方から「結婚を許してもらう代わりに避妊手術を受けさせられた」「会社の社長、学校の先生に避妊手術を受けるように言われ、病院に連れていかれた」など、直接思いを聞き、心が締め付けられました。

 これまでは、〝集会やデモに参加すること=運動〟であり、私自身も少し抵抗がありました。今回、私はこの集会やデモに参加したからこそ、参加者と道行く人たちとの温度差があることを実感し、現地に行く意義を強く感じました。それと同時に、無関心な道行く人たちとの温度差を少しでもなくすために身近な人たちから思いを広げていくことが大事であると実感しました。日々の生活の中でいかに人権意識や問題に関心を持ち、知ろうと思い、学び、他の人と共有することも〝意思表示=運動〟になるのだと思います。

 国が劣等な遺伝子を残さないように、障害のある人たちから子どもを持つという自己決定を奪ったという事実があることを国はまだ認めていません。優生保護法は、障害のある人たちを劣等な遺伝子とみなし、「障害者=できない」という間違った価値観を作り、差別を生みだし、さらに、法律で定められていたということがその価値観をより根深く植え付けることを助長させたということが問題なのです。

 その問題は全く解決しておらず、終わっていないということを多くの方に知ってもらいたいです。そして、少しでも共感や関心を持ってもらい、一緒に憤りを共有し、広げていきたいです。当事者や関係者、そしてそれ以外の方々、一人ひとりの声が集まることで、この問題が〝全面解決〟へ進んでいく力になると思います。