ほっとけやん 第215話

わかやま新報2025年2月6日掲載

「協同実践交流会という非日常」

NPO法人エルシティオ 理事長 永井契嗣、えびとおはぎ 具路康平

 2024年12月21日(土)、22日(日)に箕面市で開催された「第19回全国若者・ひきこもり協同実践交流会in関西」には、全国からオンラインも含めて345人が集まり、盛況のうちに幕を閉じました。

 この交流会は、「交歓する日常と非日常 ー つくる まどう いきる ー」をテーマに、日頃の活動について情報交換し、悩みや思いを共有することで、新しい日常を作り出すきっかけを得ることを目的として開催されました。参加者は、若者や支援者など多岐にわたり、それぞれの立場から活発な交流を行いました。

 全体会は、地元の和太鼓チーム「北芝解放太鼓保存会・鼓吹(きたしばかいほうだいこほぞんかい・こぶき)」の迫力ある演奏で幕を開けました。続いて基調報告では、この交流会がどのように生まれ、これまでどのような歩みを辿ってきたのかが語られました。また、これまで毎年開催されてきた実践交流会が、今後は2年ごとに東日本と西日本で交互に開催されることが報告されました。

 シンポジウムでは、「こども・若者の声を聴く」をテーマに、文筆家の栗田隆子さん、京都市ユースサービス協会の横江美佐子さんからの問題提起や実践報告、滋賀県立大学の原未来さんから声を聴かれることについてのアンケートからの報告などがあり、またオンラインを含めた参加者の声を聴く試みとしてオンラインツールを使用した意見表明・つぶやきの拾い上げなど、参加者全員で交流・議論を行いました。こども・若者の視点と大人の視点、両方の意見が交わされ、多角的な視点から「声を聴く」ということの意味を問い直す貴重な機会となりました。

 1日目は、「居場所」「当事者」「家族」「表現」など、多岐にわたるテーマで11の分科会が行われました。2日目は、1日目から引き続きの4つの分科会に加え、「メンタルヘルス」「自治体こども計画」などをテーマにした対話型の分散会、「ダイバーシティフットサル」「フィールドワーク」など、実際に体を動かしたり、開催地域の取り組みに触れる体験型の分散会も行われました。

 1日目の夜は、懇親会が行われ、参加者同士が親睦を深めました。異なる立場の人々が集まり、それぞれの想いを語り合うことで、より深い理解へとつながりました。参加していた方の中に「普段なかなか会えない全国の方と繋がり交流することができて良かった」と言ってくれている方がいました。

 「第19回全国若者・ひきこもり協同実践交流会in関西」は、多様な人々が集い交流し、「新しい日常」へのきっかけとなりえたのではないでしょうか。