知事を招き現状を訴え

毎日新聞2009年7月7日掲載

「生活するための支援も」

和歌山市岩橋の社会福祉法人一麦会は、障害者総合リハビリテーション施設「麦の郷」に仁坂吉伸知事を招いた。仁坂知事が訪れたのは初めてで、麦の郷を支援する地域住民らは、施設や障害者の現状を知ってもらい、障害者が当たり前の生活をするための支援の必要性を訴えた。
出席した住民ら約20人は、「障害のある人を囲い込むのではなく、町の中に彼らの古里を持ってもらえるようにしたい」「麦の郷は和歌山の誇り」など仁坂知事に訴えた。
仁坂知事は、施設に併設するクリーニング工場を視察し、働く障害者たちの声に耳を傾けた。仁坂知事は、「障害者を地域のみんなで大事にするという和歌山が誇る施設。経済的に苦しい状況だが、知恵を絞って守っていきたい」と述べた。
精神障害のある寺脇弘隆さん(42)は、「知事が来てくれたのは大きな進歩だ。障害や病気に対する偏見をなくすために、正しい理解を広めてくれるよう知事に期待している」と話した。【川平愛】